第86話 ページ48
Aside
バンッ!と大きな音を立てて首領の執務室の扉を開いた。
「首領!」
「おや、そんなに慌ててどうしたんだい」
相変わらずエリス嬢に甘味を食べさせながら、私達のボスはにこやかにこちらを向いた。
呑気なものだ。
「…騒がしくしてすみません。ひとつ、気になることが」
「言ってごらん」
「はい。…椚ヶ丘中学校3年E組の、担任の、化物のことです」
化物だなんて、とエリス嬢が肩を揺らして笑う。何が面白いんだろう、こればかりはエリス嬢の味方には付けない。
「私、そいつの名前知ってるわ!殺せんせーって呼ばれてるのよね」
「おお、エリスちゃんは物知りだね。さすが私のエリスちゃんだ」
「私別にリンタローの物じゃないわ」
「そうだったね、ごめんねエリスちゃん」
私のことなんて気にかけず、金髪幼女に現を抜かすポートマフィアの森首領。全く、傍から見たらただの変質者だ!
「は、話を遮らないでください」
「おや、すまないね」
続けたまえ。
金髪を撫でていた掌を離して、腕を組む。
凍てつくような目線が私の目まで焼きそうだ。
これこそ裏社会のボスだろう、かっこいい、なんて思ったのはここだけの秘密の話で。
「奴のことですが…まだ確認していないことがありました。
生徒を見る時の奴の目線、嫌に温かいんです。優しい瞳をしている。
あんな表情豊かな生き物、私はこれまでに1種しか見たことがない。
あの化物は…先生は……」
口元は見えない。でも、わかる。首領の唇は今頃、曲線を描くように歪んでいる。
「…元は、人間だったんじゃないですか?」
ほら、金髪の幼女が笑ってる。
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いわいざけ(プロフ) - キャラメルソーダさん» いえいえ、ご丁寧にありがとうございます!コメントして頂けるだけでも嬉しいです^^* これからも頑張って更新を続けますので、気長に待っていてくださいね! (2018年4月6日 20時) (レス) id: a3a57f67d2 (このIDを非表示/違反報告)
キャラメルソーダ - ごめんなさい!エラーおきてしまって同じことを2回押してしまいました。本当に申し訳ございません。 (2018年4月3日 2時) (レス) id: 694e5af654 (このIDを非表示/違反報告)
キャラメルソーダ - この作品初めて見ましたけどとても面白いですね!!更新されるのを待っています!頑張ってください (2018年4月3日 2時) (レス) id: 694e5af654 (このIDを非表示/違反報告)
キャラメルソーダ - この作品初めて見ましたけどとても面白いですね!!更新されるのを待っています!頑張ってください (2018年4月3日 2時) (レス) id: 694e5af654 (このIDを非表示/違反報告)
千羅 - 中也さん落ちがいいです!更新頑張って下さい! (2018年4月2日 11時) (レス) id: 7af68d4a6a (このIDを非表示/違反報告)
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