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第76話 ページ35

Aside



「こっちだよ」


そう言って赤羽に案内されたのは、校舎よりもっと山の方にある場所。

そこでは、倒れた木がベンチのように横たわっていた。


「…ここは?」

「俺がサボり用に見つけた場所」


秘密だよ、と赤羽は笑う。

その無邪気な笑顔が、彼に残る子供らしさを醸し出していた。

倒れた木に座って、赤羽の顔を見る。


「どうしたの?」

「いや、なんで誘ってくれたのかなって思ってね」

「…別に、意味は無いよ。

ただ、あんな風な金子さんを見てるの、嫌で」

「あんな、風?」

「寺坂に絡まれてさ、殴られたじゃん」


そういえば、そうだったかもしれない。


「そう、だったね」

「うん。…でさ、俺は、みんなが金子さんの事嫌いでも、金子さんの事守りたいって思うよ」


真剣な顔をして、そう言う赤羽。

赤い髪が、風に靡いている。


「…赤羽」

「ねえ、俺、金子さんの事好きだよ。

ポートマフィアだって事も知ってるし、人を殺した事あるって知ってる。

それでも、そんな金子さんだからこそ持ってる魅力だってあった」


突然の発言に頭がついて行かなかった。

私の事を、好いている?

そんな冗談は止してよ。

冗談なら、やめてよ。


「…じ、冗談でしょう?」

「そう見える?」


じっと見詰めて、目を合わせてくる。

その瞳は真剣そのもので、私を茶化しているなんて思えなかった。

でも、それでも、私は…!


「金子さん、返事は…」

「ごめん!!!」


赤羽には悪いけど、走って逃げる。

申し訳なくて、顔なんて上げられない。


「か、金子さんっ…」

「やめて!!」


すぐに追いつかれて腕を引かれるけど、振り払う。

ちがうの。そうじゃないんだよ、赤羽。


「…貴方は、貴方の世界があるの。私に抱いた感情は、きっと貴方の勘違い」

「そんなこと…」

「そんな事、あるんだよ。ねぇお願い。頭が良いならわかるでしょう?」






_これ以上、私に光を見せないで。







「……ごめん。帰るね、私」

「え、ねぇ…っ」


異能で姿をくらませて、私はマフィアのオフィスへ急いだ。

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いわいざけ(プロフ) - キャラメルソーダさん» いえいえ、ご丁寧にありがとうございます!コメントして頂けるだけでも嬉しいです^^* これからも頑張って更新を続けますので、気長に待っていてくださいね! (2018年4月6日 20時) (レス) id: a3a57f67d2 (このIDを非表示/違反報告)
キャラメルソーダ - ごめんなさい!エラーおきてしまって同じことを2回押してしまいました。本当に申し訳ございません。 (2018年4月3日 2時) (レス) id: 694e5af654 (このIDを非表示/違反報告)
キャラメルソーダ - この作品初めて見ましたけどとても面白いですね!!更新されるのを待っています!頑張ってください (2018年4月3日 2時) (レス) id: 694e5af654 (このIDを非表示/違反報告)
キャラメルソーダ - この作品初めて見ましたけどとても面白いですね!!更新されるのを待っています!頑張ってください (2018年4月3日 2時) (レス) id: 694e5af654 (このIDを非表示/違反報告)
千羅 - 中也さん落ちがいいです!更新頑張って下さい! (2018年4月2日 11時) (レス) id: 7af68d4a6a (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:いわいざけ | 作者ホームページ:なし。  
作成日時:2016年9月3日 18時

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