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「な、何やってんだ…、木兎…。」
「……木兎さん…。」
『っな、……なっ…!』
木兎にキスされた頬を手で押さえながら固まる彼女。
……こんな姿も可愛い、なんて……。
「あぁーっっ!もう、Aはこっち!」
「うぇっ!赤葦!!」
『っ赤葦さん!?』
赤葦がAを引っ張って抱きしめる。
……俺みたいに腕の中に閉じ込める、とか、木兎みたいにぎゅっとする、とかじゃなくて、抱きしめるってのがずるい。
『あ、赤葦…さん…?』
「……A…、好きだよ…。」
『…っ…。』
あーあ、赤葦言っちゃった。
今までAが見て見ぬ振り、聞いて聞かぬふりをしてきたことを真正面から。
……まぁ、それなら俺らも堂々と言えるな。
「俺も好きだから。」
「お、おい、俺はもちろん好きだからな!!」
『え、え…と、…あの…、』
「俺とAの時間を邪魔しないでくれますか。」
赤葦が俺らのことを睨んでくる。
Aはおどおどしながら顔を紅くしていて。
……ちょっといじめたくなるよね。
「…Aは、俺のこと特別扱いしてくれてたもんな?」
Aの右手の甲にキスをする。
ピクッと反応するのが可愛い。
「っ別に特別な感情は無かっただろ?」
木兎がAの左手の甲にキスをする。
……あ、俺のパクリ。
『あ、あのみなさんっ、』
「A、上。」
『…ぇ…、っん…!?』
赤葦がAの鼻の頭にキスをした。
さらに顔を真っ赤にさせる。
「Aはさ、誰が好き…?」
「やっぱり俺だろ?」
「俺だよな!?」
3人で迫ればあわあわとする。
そして、やっと口を開いた。
『っ猿杭さーん!!』
「……またお前らは…。」
好意がぶつかりあって逃げられて。
いつかはちゃんと伝えて、ちゃんと答えをもらうから。
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迷人 - このお話、キュンキュンしかしませんね…。爽やか文章、羨ましいです。テイクアウト可能ですか…? (2015年8月15日 2時) (レス) id: 0a7f61b567 (このIDを非表示/違反報告)
虚弱兎(プロフ) - 新作おめでとうございます!!短編集とても素敵です!!爽やかな文体とよく似合いますね!!憧れます(>_<)更新、無理せず頑張って下さいね~!応援しております!! (2015年7月30日 22時) (レス) id: bf235a5d37 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:に ゃ 。 | 作成日時:2015年7月30日 21時