排球物語配給所。《ハイキュー!!》

やすいプレゼント。~Happy Birthday~【10/16】 ページ14

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『はい。ろうそく消してー！』

「……面倒くさい…。」

『そう言わないの！』


少し大きめのショートケーキの上に、一本だけ立っているろうそく。

ずいっと研磨の前に差し出すと不機嫌そうな顔をした。


『ひょっとしてチョコケーキの方が良かった？』

「……別に。」

『はーやーくー！消ーしーてー！』

「うるさい…。第一、お腹すいてないし。」

『んー。じゃあ、ろうそくだけ消して？ケーキは冷蔵庫に入れとくから。』


しぶしぶといった感じで フッ と息を吹き、ろうそくを消す。

おめでとう、と言えば、小さな声だけど、ありがとう、と返された。


『今日はケーキを食べる予定だったから、やることが無いのです。……何する？』

「……何も、」


しない、と言いかけたであろう研磨の口を塞ぐ。

……もちろん唇で。一瞬だけ。

研磨は驚くこともなく、ムッとした顔になった。


『……ケーキの代わりのプレゼント…かな？』

「…やすいプレゼント…。」

『なっ、』


言い返そうとしたら今度は私が塞がれた。

一瞬だけ触れて、離れて、最後に ちゅっ と音を出して唇に触れて、終わり。

研磨からキスされたことなんて初めてで、少し驚く。

……その反面、やっぱり嬉しい。


『……まだ、やすい？』

「…まだ。」

『ん…、…っ、』


触れるだけのが何回も繰り返される。

………積極的な研磨は、研磨じゃないみたい。

ふわっと離されて、ぼんやりと見つめ合う。


「…誕生日も悪くないね…。」

『……でしょ？』







Happy Birthday.

この世に生まれてくれて、ありがとう。

わたしと出会ってくれて、ありがとう。








『…私の誕生日プレゼントもこれでいいや。』

「……俺へのプレゼントにもなるけど。」

『…………ばぁか。』



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