真逆で始まる奇妙な冒険～ヴェスパー・リリー～ (ページ7)

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第7話「頭を働かせるべし」ページ7

おはようございます､紳士淑女の皆様｡
私は昼過ぎまで爆睡してました｡
せっかくトリップしたのでジョナサンに会ってみたかったんですが､朝にキッチリ起きて､ご飯を食べて､愛犬と遊びに行ってしまったんだそうな｡
健全だぜ…ジョナサン｡
てか元気だなぁ…｡
そんな事を考えて､貰ったパン(マナーとか面倒だったので､必殺「お箸しか使えないんですよぉ」を使用)をもぐもぐと食べ終わった後｡

「A…聞きたいことがあるんだ」
「はい､何でしよーか?」
ジョージに呼び出された｡
私､何かご無礼を?

真逆…ハラキリ｡
ハラキリを所望でござるか!
などと､くだらない事を考えていると真剣な眼差しで見つめられた｡

嗚呼､駄目ですぅ!貴方には愛する奥様と息子さんがァ!

再び心の中で茶番を繰り広げていると｡

「君は昨日の夜どうしてアソコに居たのかね」
当然といえば当然の質問が来た｡

どうしよう｡真逆､「別の世界から来ましたァ」
なんて言えるわけない｡
変な意味で心配されそうだし､何より､下手に情報が伝われば､この世界で生きづらくなる｡

さぁ!このピンチ!切り抜けてみせろ自分!
お前の好きな2部のジョセフみたいに頭を使え!!回せ!!

「…実は…男に……襲われて､それで…逃げて来ました」
嘘は言ってない｡

とりあえずありのままを話す所は話しつつ､まずくなれば多少脚色するよ作戦だ｡
「そうか…もしや……教会から?…君は教会に住んでいたのか?…あっいや､話したくなければいいんだ」
「いえ､大丈夫です…教会に住んでいた訳ではありません｡旅の途中で親が死んで､それで教会にとりあえず助けてもらおうと思って､あの教会に行ったのです｡しかし､アレは起こり､教会から逃げて来ました｡教会は気付いた時には燃えていて､中の人達も倒れていて､それから…後ろに…男が…」
「すまなかった｡もういい､話さなくていい｡怖かっただろうに､よく頑張ったな｡ココは安全だからね」
子供をあやすように優しく声を掛けてくれた｡

な､何だか罪悪感が…｡

なんとも言えない背徳的気分を味わっているとジョージは驚きの発言をした｡
「もし､よければ私の子にならないか?」

「え…」
「実は丁度､私の息子と同い年の子を養子にとるところだったんだ｡その子も親を失っていてね｡どうだい､いやならいいんだ」

「いやなんて…そんな…行くあても無いですし…よっよろしくお願いします!」
ばっと頭を下げると優しく撫でられた｡
「ようこそ､A」