真逆で始まる奇妙な冒険～ヴェスパー・リリー～ (ページ50)

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第50話「To Be Continued?」ページ50

「そういえば私の怪我は」
「あっそれはスタンド能力です｡波紋じゃそこまでは無理ですから」
ニコニコと愛想の良い笑顔で言われる｡

「でまあ､前置きが長くなっちゃったんですけどココからが本題なんです」
いきなり真剣な表情でグッと顔を寄せられ､若干ビビる｡

「俺と少しの間暮らして下さい」
「は…はい」
唐突に予想打にしなかった言葉が飛び出したので困惑しながら返事をしてしまった｡
別に彼と少しの間暮らすぐらいどうって事はない｡
悪い人ではないんだろうし､命の恩人でもある｡

私の返事に再びニコニコとして､やったぁと無邪気に喜んでいる彼を見て思わず微笑む｡
「そういえば､ココどこですか?」
「イタリアのどっかの島ですね」
「そ…そうですか」

時は流れて､1938年＿昭和13年某月某日｡
「どうなってるんだよ…なんで憲兵に付け回されなきゃならんのだ?私何もしてな…いや､研究は引き継いでたけど…まだ完成はしてないし…だあああ!…どうなってんだよマジで!私が書いた百合百合してる感じの本も発禁にされるし!何なんだよ!ちくせう!百合っててもいいだろうがッ!!」
大日本帝国の帝都の某所で独りの軍服姿の若者が愚痴を零していた｡
「第一!この研究は上層部直々に依頼してきたやつだし!……真逆間諜の謀略?同盟国の?…いやいや､でもなぁ…あの研究は秘密裏になってるから…そう簡単には」
若者はかぶりを振って､軍帽を脱いだ｡
肩まで伸びた黒髪がふわりと広がる｡
髪を触り､大分伸びたなと少し微笑む｡
「兎に角…この国には居られないな…」
若者＿少女は軍服のポケットから､紐を取り出し髪を軽く結った｡
「でも…コレで会いに行く口実が出来たってことか｡会えたとして仲良くなれるかわからんが…」

「さて､アッチに着いて例の場所に至った時「記憶」が一旦封じられるわけか…なんか勿体ない気もするけど…まぁいいや」
今度は別のポケットから一枚の写真を取り出し眺める｡
それには軍服姿の青年で椅子に座った青年とその膝上に乗る振袖姿の幼子が写っていた｡

「お父様」の仕込んだ事だからねぇと呟き空を見上げる｡

「「ジョセフ・ジョースター」…待ってろ!愛しのはとこよ!海を越えて会いに行くからな!」

少女は､これから星の運命に巻き込まれていく｡

To Be Continued?