真逆で始まる奇妙な冒険～ヴェスパー・リリー～ (ページ43)

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第43話「エリナは天使」ページ43

「WOOOORRRREEEEYYYY!何世紀も未来へ!永遠へ…生きるはずのこのディオがッ!」
「散滅すべし!ディオ!」
ディオはもがき苦しみながら最期の足掻きとばかりに目から自分の体液を光線の様に撃ち出した｡
だが､幸いジョナサンの頭部に当たる事はなかった｡

最期の足掻きを行ったディオは崖下へと落ちていった｡
私とジョナサンが急いで駆け寄り､崖下を覗き込む｡
波紋の光とディオの服が舞っているのだけが見えた｡

私もジョナサンも涙を流していた｡
そして､ほぼ同時に倒れてしまった｡

後から聞いた話だが､あの後､トンペティとストレイツォが残っていた屍生人達を一掃｡ポコとポコの姉を家に送った後､崖下にあったディオの服を､トンペティ､ストレイツォ､スピードワゴン､ジョナサン(暫くしたら意識が戻った)の四人が火で焼き捨て｡そしてスピードワゴンが石仮面を完全に破壊｡
私はといえば朝まで完全に気を失っており､目覚めた時にひたすら四人に謝ったのを覚えている｡
その際､全員に苦笑された｡

そして､私達はエリナの元までまた帰ってきた｡
帰って来てから数日後､二人から結婚するという話を聞かされ､嬉しさのあまり椅子から転げ落ちたのはいい思い出である｡
ジョナエリは正義｡ほぼジョジョ2部しか知らない私でもそれだけは知っている｡
「来年の二月だよね」
「ええ､そうよ」
エリナは私と話す時が一番砕けた喋り方をする｡
何だかそれがとても嬉しかったりする｡
「愛する人との結婚かぁ…素敵だね」
思わずニヨニヨしてエリナに話しかける｡
「うふふ…ありがとう｡……ところでA」
「なぁに?」
私のニヨニヨはエリナの次の発言で一時停止した｡
「貴女にも愛する人いるでしょう?その人とはどうなの?」

「愛すっ…その…え…あの…ど」
「勿論､愛する人って言っても私やジョジョの事じゃなあないわよ」
ニコニコと微笑むエリナ｡
「まあ､つまり…恋してる人…かしらね」
「こ､恋…で…でも私はまだ恋なんて」
「あら､貴女のお兄様は気付いてないでしょうけど私は気づいてるわよ」
ジョジョは案外鈍いと苦笑しながら言うエリナにドキリとする｡

「スピードワゴン…さんだったかしら｡彼､とても良い方よね」
「エ…エリナさん…凄すぎる」
思わず赤面する｡
「分かるわよ､恋する乙女の気持ちは」

「あの…この事は内緒に」
「勿論､でも何か困ったら相談してね｡恋の病はお医者様にも治せないぐらいの難病なんだから」

最早､私は頷くことしか出来なかった｡