真逆で始まる奇妙な冒険～ヴェスパー・リリー～ (ページ32)

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第32話「細かい事を気にしすぎると体に悪いと私は思う」ページ32

ツェペリ､そして私とジョナサンが崖下まで追いつく
私達の行動に呆気に取られていた少年がはっとして逃げようとする｡
「オラァッ!」
私が拳を崖に軽めに当て軽く波紋を流す｡
「ん～良い音響だぞA｡波紋疾走が確実に伝わっていく音だ」
私とジョナサンが頷き合い､私が少しその場を離れ､私の居た所にジョナサンが来る｡
「この辺に立ってればいいでしょうか」
「いや!わしは左へもう二メートルとみたね｡二ポンド賭けてもいーよ」
「じゃあ私はそのままに六ポンド!」

少年が崖上から落ちてきた｡
それをジョナサンが受け止める｡
「ジョジョ､ナイスキャッチ!」
しかし､少年の様子がおかしかった｡
「…波紋強すぎたかなァ…ちゃんと加減したつもりだったんだけど…」
「いや!おかしいのは少年だけじゃないぞ!周りを見ろ!」
よく見ると周りは墓場だった｡
そしてもう日が落ちたと思った時､突然何かに足を掴まれた｡
驚いて足元を見ると､地面から手が出ていてそれが足を掴んでいたのだった｡
「どうやらおびきだされてナイスキャッチされたのはわしらの方らしいぞ!その少年､催眠術をかけられとったようじゃ!」

さらには､いつの間にか高い岩上に彼が立っていた｡
「ディオッ!」
「…会いたかったようで会いたくなかった」
屍生人が地中からどんどん出てくる｡
丁度､スピードワゴンも追いついてきた｡

屍生人の集団が襲いかかってきた｡
「ひぃぃーッ!」
「君､名前は?」
「ポ…ポコ」
ジョナサンがポコに自分の背に乗る様促す｡
私は､腰に付けた収納ケースから一本鞭(スピードワゴンに頼み込んで手に入れた)と瓶に入れた油を取り出し､油を鞭全体が濡れる様にかけた｡
スピードワゴンがいつの間にか大きなハンマーを手にしている｡
「騎士の死体の屍生人どもか!いくぞジョジョ!A!」

「波紋疾走ッ!!」
私は容赦なく波紋を流した鞭を屍生人に振るいつつ､皆と共にディオの居る上を目指す｡
パシリとした音ともに屍生人が弾け飛ぶ｡
屍生人どもを蹴散らしながら､私はこの戦闘スタイルにして正解だったと思った｡

ちなみに何時､鞭を入手したかというと､病院でエリナとジョナサンが再開したその日にスピードワゴンに頼み込み､数日後にGET｡
何時､練習したかというとツェペリ先生に波紋法を教わっていた時｡

鞭を手渡してくれたスピードワゴンが何とも言えない表情で鞭と私を交互に見ていたがそんなの気にしない｡
気にしてたら生きていけないもの｡