真逆で始まる奇妙な冒険～ヴェスパー・リリー～ (ページ17)

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第17話「待ち構える者達」ページ17

ロンドンからジョナサンが戻って来てすぐにジョージに解毒薬を飲ませた後､彼から指示が出された｡
使用人共々､その指示を実行すべく走り回る｡

「よし!ジョースターさん!俺もここまで来たら最後まで付き合うぜ!!」
「ありがとう」
スピードワゴンの姿もあった｡
私が思わず､彼を見つめていると､それに気づいたジョナサンが紹介してくれた｡
「彼はスピードワゴン､僕を助けてくれたんだ」
「どうも､宜しくな!お嬢さん」
「よろしくお願いします!そして義兄を助けて頂き本当にありがうございます!」
「いやぁ…礼には及ばな……え?……「あにを」って事は……もしやアンタがジョースターさんの妹!?」
まぁ驚くよね｡
似てないし､東洋人だし｡

「ディオはココ最近よく出歩いていて､あまり家に帰って来ません｡今日も出掛けてしまいました｡しかしいつ帰って来てもおかしくはない｡急ぎましょう!」
ジョナサンを中心にして行動を起こす｡

「A…やっぱりお前は父さんと部屋で待っていた方がいい」
「駄目!」
「え?」
ジョナサンが目を見張る｡
スピードワゴンもこちらを見た｡

「私もここに居る!私にも見届ける義務がある!これまでジョジョに任せっきりだった……｡けど…私だって家族を!ジョースター家を守りたい!その為にも今回の事は最後までこの目で見なきゃ!……それに､お義父様の所には護衛が付いているし｡私にはジョジョとこの場の皆がいるもの!!」
私はこの世界に来て､ここまでハッキリと自分の意見を他者に打ち明け､提示された意見に反発する事はそうそうなかった｡
仲のいいジョナサンにですら､あまり自分からというのは無かったのだ｡

私はこれまで本当に無力だった｡
ジョージの薬の件だってそうだ｡
ディオの策略は分かっていたから､行動した｡
だが､うまい具合にディオは私の策の上をいってしまったのである｡ジョージの身に危険が及んだのは私のせいだ｡私がもっとうまく立ち回れたなら｡

毎回の事だ｡
後悔して｡悲しんで｡

もうたくさんだ｡

「私は逃げも隠れもしない!何故なら､ディオと向き合わなければならないから!今まで､ディオと本気で向き合えなかった私も今度こそ!」
まっすぐにジョナサンを見つめる｡

ジョナサンは少し間を置いて､頷いた｡
「……わかった｡でも危険だと感じたらすぐに逃げるんだ｡いいね」
「うん!!」

「…(頼りない感じのお嬢様かと思ったら…こいつぁ立派な気高い淑女だったな…流石､ジョースターさんの妹だぜ)」