第33話「進んで行く」 ページ33
「きゃあああ!」
「大変だ!男が救急車の下敷きになったぞ!」
「居るのに気が付かなかった!…戻して!車戻して!」
即座に私達は囲いのテープの外へ追いやられた｡
血塗れだった仗助は救急隊員の1人に話しかけられている｡
吉良に駆け寄った救急隊員達の会話が聞こえてくる｡
＿「死亡」｡
その単語か聞こえ､状況はすぐに飲み込めた｡
あまりに偶発的というか突飛な展開に半ば呆然としていたが､死亡という単語か意識を覚醒させた｡
地面とタイヤに挟まれ顔の皮が剥がれていたが､吉良は死ぬ前に女性隊員に対し名乗っていたのでそこから身元は割れた｡
きっと吉良は吉良として死ぬのだろう｡
「事故死か…奴の最期は事故死…」
「でも､これでいいんだ…アイツは法律では決して裁くことは出来ない｡……これでいいんだ」
康一の言葉に応えるように露伴がそう言った｡
確かにそうだろう｡
最早､あの男を法で裁くには無理があった｡
法で裁けぬ者も居るのだと､私は今までの経験からもよく知っている｡
「僕は…僕のパパと…別に仲良しじゃあなかったけど､僕のパパはアイツに殺された｡僕は裁いてほしかった…アイツを誰かが裁いてほしかった…」
少年の傷は､痛みは深い｡
この町の傷も痛みも同じく深いし､それが明確になるのはこれからだろう｡
誰もが幸せになる結末など子供の夢でしかないのかと､こういう時に私は思ってしまう｡
現実は､運命は過酷である｡残酷である｡
しかし､この町の人達は弱くない｡
強いのだ｡きっと前に進める｡
明るい方へと進める筈だ｡
私達はその後､一旦あの「決して振り返ってはいけない」小道の入り口に集まった｡
一応､その場でこの町に居るスタンド使い達がほぼ集結した｡
理由は＿「杉本鈴美」と「アーノルド」の見送りである｡
彼女は役目を終えたのでこの町を去るのだという｡
それぞれが別れの挨拶を口にした｡
「有難う､皆…さようなら､皆」
こうして幽霊少女と幽霊犬はあの世へと旅だったのだった｡
「あれ?Aさん…その紙何ですか?」
康一が私の手にある紙片を指さした｡
「ああ､なんていうか「約束」ってやつさ」
「約束?」
康一が首を傾げるのを見た後､まだ天を仰ぐ露伴を見た｡
私の視線に気付いたのかこちらを向く｡
「…何か」
「ううん､別に｡ただお互い読者は大事にしないとねと思っただけよん」
「はぁ…まぁ…確かにそうですね」
けどそれが何か?と露伴も康一同様首を傾げた｡
私はただ微笑んだ｡
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夢書き(プロフ) - りつさん» 有難うございます!更新頑張ります!浮気騒動の件については後々､詳しく書く予定ですのでお楽しみに!! (2018年12月9日 20時) (
レス) id: a3e5dfe3b2 (このIDを非表示/違反報告)
りつ - 小説とても面白いです！更新頑張って下さい！主人公ちゃんの浮気騒動の件を詳しく知りたいです！シーザーの反応がとても気になります！ (2018年12月9日 19時) (レス) id: 274504bcff (このIDを非表示/違反報告)
夢書き(プロフ) - 野菊さん» 有難うございます!とっても嬉しいです!!更新頑張ります｡ (2018年12月9日 13時) (レス) id: a3e5dfe3b2 (このIDを非表示/違反報告)
野菊(プロフ) - とても面白いです。続きが気になります！更新楽しみにしています。 (2018年12月9日 0時) (レス) id: 8aa83e8ed8 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：夢書き | 作成日時：2018年11月9日 21時
