第4話「私も彼ももうすぐ傘寿」 ページ4
私と承太郎は仗助の家の前に居た｡
承太郎が呼び鈴を押す｡
しかし家人は新聞屋か何かだと思ったらしく文句を言って出てこない｡
だが2度目で出て来てくれた｡
かなり威勢のいい女性が｡
彼女は文句を言いながら扉を開けたのだが､承太郎の姿を見るやいなやハッとした｡
「あ…貴方は」
「?」
「?」
承太郎と彼女は初対面の筈だが､と首を傾げたその時｡
「ジョセフーッ!!」
いきなり承太郎に抱き着いた｡
私と承太郎は呆気に取られる｡
「ジョセフーッ!遂に戻って来てくれたのねーッ!待ってたのよ!ずーっと!お父さんが死んで本当に悲しくて心細かったのッ!こんな時に来てくれるなんてジョセフ!本当に好き好き好き好き好き好き好きーッ!!」
どうやら彼女はジョセフと承太郎とを間違えているらしい｡
「ガッカリさせるようだが俺はジョセフ・ジョースターではない」
「え!?…あ!そ…そういえば随分若いわ!」
「やれやれ…俺はジョセフの孫で空条承太郎という｡こっちの人は親戚のA・ツェペリ」
どうも､と軽く頭を下げた｡
「詳しくは仗助の奴に聞いてくれ…俺はうっとおしい話は苦手なんでな」
彼女がジョセフの浮気相手､東方朋子｡
なんだろう､なんだかスージーに似ている気がする｡
まァ顔は似てないが､そういう部分より別のところが似ていると思う｡
「仗助に会いに来た…居るかい?」
「実は少しお話がありましてね…」
だが､彼女は承太郎を見てぼうっとしている｡
「仗助はどこかって聞いてんだが?」
「え?あっ仗助はまだ学校から帰って…ません」
「そうか…じゃあまた今晩来る」
「では､お邪魔しました」
「え?…もう帰るの」
東方家をあとにしようとして､立ち止まる｡
「そう…貴方のお父さん気の毒したな」
「お悔やみ申し上げます」
私は深々と礼をした｡
「ジョセフ・ジョースターがもしこの町に来たなら…これから起こる危機から必死にアンタを守るだろう…しかしジジイは高齢だ…この町に来させるわけには行かない」
承太郎は明子に向けてはっきりと言い切った｡
「俺がジジイの代わりだ」
道路に停めておいた車に乗り込み､今度こそ東方家をあとにした｡
承太郎が運転しながら溜息をつく｡
「本当ならアンタも来させたくなかったんだがな…」
「私なら平気さァ…まだまだ若いからね!」
「見た目はな」
と言った後少し間を置いて承太郎は､にしたって若作りにも程があるぜ､と付け加えた｡
第5話「悩ましく難しい」→←第3話「説明はちゃんとした方がいい」
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 26人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告感想を書こう！(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
夢書き(プロフ) - りつさん» 有難うございます!更新頑張ります!浮気騒動の件については後々､詳しく書く予定ですのでお楽しみに!! (2018年12月9日 20時) (
レス) id: a3e5dfe3b2 (このIDを非表示/違反報告)
りつ - 小説とても面白いです！更新頑張って下さい！主人公ちゃんの浮気騒動の件を詳しく知りたいです！シーザーの反応がとても気になります！ (2018年12月9日 19時) (レス) id: 274504bcff (このIDを非表示/違反報告)
夢書き(プロフ) - 野菊さん» 有難うございます!とっても嬉しいです!!更新頑張ります｡ (2018年12月9日 13時) (レス) id: a3e5dfe3b2 (このIDを非表示/違反報告)
野菊(プロフ) - とても面白いです。続きが気になります！更新楽しみにしています。 (2018年12月9日 0時) (レス) id: 8aa83e8ed8 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：夢書き | 作成日時：2018年11月9日 21時
