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「…取り敢えず、あまり人目のつかないところに移動していいか?」


そう尋ねられ不審に思いつつもゆっくりと頷く。
私が頷くのを見た彼はすぐにくるりと背を向けスタスタと歩き始めたので、大人しくそれに着いて行った。






少し歩くと駅前のパーキングに入っていき、その中の停められた1台の前に行く。
彼が腰からぶら下げた鍵を操作すると、車はそれに答えるようにがちゃん、と鍵を開けヘッドライトはピカピカと点滅する。



「乗って」


彼はそう一言だけ言うとさっさと運転席に乗り込んでしまった。
全く知らない人の車の助手席に乗り込む、危機感が薄いようにも感じたが、運転席に座った彼の鋭い瞳が「早く乗れ」と訴えていたので慌てて扉を開けた。





バタン、と閉まる助手席の扉。
運転席に座る彼はふぅ、と深いため息をつくと、目深に被ったキャップとマスクを外す。
ふわふわとしたほんの少し茶色混じりの髪の毛と、すっと高い鷲鼻が露わになった。
ずっとその大きな瞳しか見えていなかったけど、随分整った顔をしているのが、それだけで分かった。






「あー…巻き込んで悪かったな」
『あ、はい』



思わず素直に頷いてしまった。




『えっとー、お兄さん人気者なんですか?』


そう尋ねると彼はその大きな瞳をさらに大きく見開いてこちらを見た。


「……この顔見たことない?」
『はぁ、存じ上げませんが…』
「…俺、としみつっつーんだけど」
『あ、そうなんですね』
「……え?岡崎出身じゃない?」
『いえ、生まれも育ちも生粋の岡崎市です』




そこまで話をすると、彼は急に無言になり前髪をガシガシとかき揚げた。




「…俺らもまだまだっつーことか」
『はい?』



その言葉の意味が理解出来ず尋ねると、彼のその大きな瞳がこちらを捉えた。



「Youtuberって知ってる?」
『まぁ、何となくは…』



あまり詳しくは知らないので、そう曖昧に答えると彼はポケットからスマートフォンを取り出して慣れた手つきで操作をする。



「これ、」


そう言われて差し出された画面を覗き込む。



『…とうかい、おんえあ……』



そこに見えるは派手なスーツに身を包んだ男性6人。
あぁ、なんかチラッと見たことあるな…
岡崎駅にこのピンクの人いたいた。
彼はその中の緑のスーツに身を包んだ人を1人、指差した。



「これ、俺」
『……え゛っ…』



思わず写真と目の前の彼を何度も何度も見比べてしまった。

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設定キーワード:東海オンエア , としみつ , Youtuber   
作品ジャンル:恋愛
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作者名:ヨウ | 作成日時:2019年9月24日 16時

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