2 ページ3
階段を駆け上がって駅の外に出るも、女の子達は私達を上回るスピードで追いかけて来る。
え、早くない?
あんな安室●美恵みたいな厚底の靴履いてるのに何で??
やっぱり若さなのか、と息が上がる自分と比べて悲しくなる。
「てか、何でアンタも着いてくるわけ!?」
『はぁ!?いや、貴方が手握って離さないからでしょーが!』
なんなんだこの人。
自分で私の手ぎゅーぎゅー握ってるくせして。
天然か。天然なのか。
息も上がって、かなりの体力を消耗したにも関わらず、若さには勝てなかった私(達)はあっという間に女の子達囲まれてしまった。
一切この状況について理解していない私は、取り敢えず立ち尽くすしかない。
「としみつくん!」
「あーあー、うるせぇな…」
「声掛けただけなのに、逃げるから…」
「だからって追っ掛けてくんな、マジで迷惑だから」
ん?彼氏?と彼女?の会話してはちょっとおかしいし、一体どういう関係なのか。
私の頭の上を乱舞する?マーク。
目深に帽子を被りマスクをしたこの男性と、
とても若い、可愛らしい見た目をした女の子達3人と、
なーんも状況も知らずた巻き込まれて突っ立ってる私と、
あまりに不思議すぎる光景に逆に興味が湧いてきたその時だった。
握られていた手がやっと離され、あー良かった、手汗酷いからヤバいなぁって思ってたんだよなぁとか馬鹿なこと考えていたら、今度は男の人にグイッと肩を抱き寄せられぐっと頭を抱えられる。
ん?
「わりぃけど、今からカノジョとデートな訳。だからさ、どっかいってくんない?」
んん?
「え、としみつくん…彼女なんてそんな…」
んんッ?
『はぁ!?』
びっくりして大声を上げるとそのままその大きな掌で口を塞がれた。
なんなんだこの人!知り合いでもないのに彼女とか言ったり、人の口塞いだり!!
訴えてやるっ!!!
「そ、公表してないけど、俺カノジョいるから」
「だから、邪魔せんで。早く消えて」
あまりに冷たい言い方に私の背筋もスっと寒くなる。
女の子達もぐっと唇を噛み締めるように噤むと私を一瞥してから無言で走り去って行った。
『っぷはっ!ちょっと!!どういうことですか!?』
「あ、わりぃ。つい逃れるために適当に言っちまったわ」
『困ります!!てか、貴方誰なんですか!!』
キッとこの人を睨みつけると、彼は流石に気まずく感じたのか、頬をポリポリと掻いた。
237人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「オリジナル」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
あじぽん〜(プロフ) - ふぁっ...設定がもう好きです。これから頑張ってください! (2020年7月26日 13時) (レス) id: 274279f3c9 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:ヨウ | 作成日時:2019年9月24日 16時