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「帰んの?一緒に食ってけば?」
思わず口をあんぐり開けたままこくこく頷くと、お兄さんはぶはっと笑って可笑しそうに口元を隠す。
恥ずかしい…あほ面見せちゃったよ…
そんな後悔してる間もなく、そのまま逞しい腕にぐいっと引っ張られ積み重ねられた木材の上に座らされた。
周りにはもう他の職人さん達も座っている。
「はいお嬢ちゃん箸!」
『あ、ありがとうございます…』
おじさん達も受け入れてくれるようで有難く一緒に食事を取る事にした。
隣にはあのオレンジ頭の、てつや、さん。
なんだか変な緊張をしながら食事をする。
落ち着かないし、食事の味もよく分からない…
おじさん達は皆美味しいと褒めてくれたので、良かった…のかな?
「ちょっと待ってろ」
そう言っててつやさんは立ち上がると何処かに言ってしまった。
「これ、お嬢ちゃんが全部作ったのか?」
『あ、はい!そうです』
「めちゃくちゃうめぇじゃねーか!」
『ありがとうございます』
「嫁に欲しいわ!」
「なーに言ってんだ!鬼嫁に怒られんぞ!!」
おじさん特有のノリで皆ゲラゲラ笑っている。
すごく暖かいなぁなんて見ていたら、頬にピトンと当たる冷たいもの。
『ひゃっ!』
「…変な声出すなよ。コーヒー、飲める?」
『あ、はい。ありがとうございます』
振り向くとてつやさんがいて、片手には缶コーヒーがひとつ。
受け取るとヒンヤリと冷たい。
わざわざ買いに行ってくれたのかな…?
ちらりと缶コーヒーを飲みながら横目で見ると、てつやさんは頭に巻いたタオルを外して肩にかけて、それで首筋の汗を拭う。
………なんか、色気を感じてしまい思いっきり首を逸らした。
「先輩達、何盛り上がってるんすか?」
「あー?嬢ちゃんが作る飯うめぇから嫁に来いって話してたんだよ!」
「てつや!お前も言ってやれ!鬼嫁怖ぇぞ!って!」
「はは、杉山さんの奥さんマジで怖ぇからな」
「てつやー、失礼だぞー。あ、てかよ」
私はその次の発言に、思わず固まってしまった。
「てつや、お前が嫁にもらったら良いじゃねぇか」
な、ななななななな…!!
私が固まっていると、隣のてつやさんはそんな私の様子を見てくすくす笑う。
「あー。良いかもっすね」
そう言って、私を少し色気のある目で見るてつやさん。
その発言に思わず目を見開きてつやさんから離れようとすると、ぐっと肩を抱かれる。
「それ以上そっち行くと、落ちんぞ」
目の前には厚い胸板。
どうにかなってしまいそうだ。
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ヨウ(プロフ) - ななみさん» そう言っていただけて良かったですー!また続編の方にも遊びに来ていただけると嬉しいです! (2019年6月25日 0時) (レス) id: 523a836345 (このIDを非表示/違反報告)
ななみ(プロフ) - キュンキュンしちゃいました〜!すっごく読みやすい文章で大好きです!ありがとうございます! (2019年6月20日 22時) (レス) id: d77610da69 (このIDを非表示/違反報告)
ヨウ(プロフ) - なぁさん» いつもありがとうございます!中村先輩、まだキャラがブレブレで申し訳ないです…続編頑張りますね! (2019年6月20日 21時) (レス) id: 523a836345 (このIDを非表示/違反報告)
ヨウ(プロフ) - ななみさん» ありがとうございます!寛太先生続編書かせていただきました!期待に添えたものではなかったら申し訳ありません…また遊びに来ていただけると嬉しいです! (2019年6月20日 21時) (レス) id: 523a836345 (このIDを非表示/違反報告)
ヨウ(プロフ) - Mrs.ぱんぷきんさん» リクエストにお答え出来るようなお話書けるか分かりませんが…はたらくおにいさん。の橙くんはツンツンキャラが多かったので頑張ってみますね! (2019年6月20日 21時) (レス) id: 523a836345 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:ヨウ | 作成日時:2019年4月21日 1時