まっくらな世界 (ページ6)

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ゆずりは…………たいじゅ……

！

大樹｢ん！？

おー！！！Aじゃないか！！もう戻ってきたのかぁー！早いな！！」

杠｢本当だ！お早いお帰りですな～

いつもはもっと時間かかってるけどAくんと羽京くんが組めば遅くなることもないし安心だねっ！」

大樹｢うむ、確かに！！これでみんなが怪我を負うこともなくなれば心配事も減るかもしれんな！」

杠｢うんうん！お勤めご苦労様です！初仕事はどうだった？」

『…………し、ごと…は今までやってきたこととそんなに、変わらない…けど、

猪、実物で見たのは、初めて、だった』

大樹｢なにぃー－－－っ！？イノシシと出くわしたのか！！？」

杠｢え、えっ！？け、怪我とかしてない！！？」

ガシリと俺の肩を掴みぐわんぐわん揺らす大樹に慌てる杠

『数メートル、はなれてたっから、怪我なっい…！』

大樹｢そ、そうなのか！ああ！すまん！！気が動転してめいいっぱいに揺らしてしまった！！」

『ぅ、だいじょぶ』

杠｢あはは、でもそうすると今日はお肉かな？なんだか今から楽しみですなぁ」

『…………お、肉も、だけど…

道中で、くだもの、見つけたから……』

杠｢わお！なら今日はデザート付きだねぇ

ふふったのしみですな！大樹くん」

大樹｢ははは！！そうだな！調味料はないが一気に現代に近づいた気がするな！！」

『ふ、たりはくだもの、すき？』

杠｢甘いものが嫌いな女の子はいないよ～」

大樹｢そうだな！俺は男だが甘いものは好きだぞ！！果物も大好物だ！！」

『！

それじゃ、これ、やる…！』

大樹｢ん？これはリンゴか！？杠の方は……」

杠｢ん～、多分スモモ…かなぁ…？これは！」

『ん、俺……薄っぺらい感情で褒められたり俺の家のことで近づかれたりってことはあったけど、そんな汚れた気持ちで近づいて来なかったのは2人が初めてなんだ

たいじゅにありがとう、て言われたのも、ゆずりはにすごいって褒められて、心臓がきゅ～ってなってどくどくしたんだ

たぶん、うれしかった。んだと思う……から、俺なりに、なにか返したいって
このきもち、を、ふたりにもって、おもって

そしたら、これ、みつけて……大樹はリンゴっぽいなって杠はすももみたいだなって思って取って、きた

夕飯食べる時も出るかもだけど、コレは、俺が二人に渡したかった、から、もってきた』

大樹｢俺達のために、取ってきてくれたのか？」

うん、と俺が頷くと大樹はぐるんと俺を抱っこして振り回す
表情は満面の笑みで……二人とも、嬉しそうだった