検索窓
今日:18 hit、昨日:99 hit、合計:183,926 hit

ページ3

稀咲と半間が逃亡して、その場に残ったのは天竺幹部、東卍の総長と一部を除いた主力メンバー





「早く行け、サツが来る」





佐野はじっとこちらを見つめた後くるりと踵を返して周りのメンバーに声をかけた





「オマエらも行け」





バイクのエンジン音を響かせながら黒い特攻服が視界から完全に消えた
向こうでは武藤が三途と九井にこの場から立ち去れと指示を出している






それをぼーっと眺めていれば2人がこちらに向かって歩いてきた






『じゃ、気を付け・・・ちょっと何?』






通り過ぎる2人に別れのあいさつでもしようかと口を開けば背中を押される






「そいつの事頼むわ」
『・・・え?』





バッと後ろを振り返ればひらひらと手を振る兄たち






『まって、私も残るってば、』
「させる訳ねーだろ、オレらについてきただけのオマエに」
「早く行け、A」






兄ちゃんたちは知らないんだ
10歳の時に2人がいなくなって、知らない人の家に預けられて、それがどんなに寂しかったか






いつ出てこれるかも分からないのにまた2人だけ一緒で
2人に置いていかれた私はまた1人







『・・・また1人にするの、私のこと』






ぽたりと雪の上に消えた雫にその場が静まり返る






ザ、とこちらに歩み寄る足音に顔を上げると頭に乗る蘭ちゃんの手と呆れたように笑う兄ちゃんの顔






「昔っからクソ泣き虫だな、オマエは」
「兄貴と俺がいなきゃなんも出来ねーの」
『・・・ぅるさい』





棘のある言葉とは反対に優しい声色で言う2人
もう何を言っても私を残らせてはくれないんだろう






遠くからサイレンの音が聞こえて、時間がないことを察した






『・・・待ってるから、さっさと出てきて』
「!」
「うまいメシ作って待っとけ」





私の言葉に一瞬目を丸くした蘭ちゃんと兄ちゃんはふ、と笑ってそう言うと遠くの赤い光を見てすぐに表情を戻した





『・・・じゃあ、後は頼みます。望月くん、武藤くん、斑目くん、・・・蘭ちゃんと兄ちゃん、残ってくれてありがとう』






この場に残る5人に深く頭を下げてから、近くに立ってた2人に声をかけてその場を去った



























あの抗争から3か月、私は何故か米花町に住みながら帝丹高校に通っている
いや、通っていると言えるほど行ってないけど





『・・・なんで?』

再び→←王の死



目次へ作品を作る感想を書く
他の作品を探す

おもしろ度を投票
( ← 頑張って!面白い!→ )

点数: 9.9/10 (502 票)

この小説をお気に入り追加 (しおり) 登録すれば後で更新された順に見れます
1630人がお気に入り
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告

感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)

ニックネーム: 感想:  ログイン

おはよ - 更新してくださいぃぃぃぃ (2023年1月19日 20時) (レス) @page23 id: f100e4cf09 (このIDを非表示/違反報告)
若葉 - 題名を見た瞬間にはもう話を見ていた…… (2022年8月15日 8時) (レス) id: 6c9eae5177 (このIDを非表示/違反報告)
秋吉(プロフ) - 東リベ好きにはたまらないコラボですね。始終表情筋緩みっぱなしで読んでました笑 (2022年8月10日 18時) (レス) @page23 id: 9284e42836 (このIDを非表示/違反報告)
七巳流 - 東リベ見た事ないですが、とても楽しみにしてます。 (2022年7月27日 18時) (レス) id: bff6de7ecd (このIDを非表示/違反報告)
toratora10(プロフ) - コナン再会したら主に尋問盗聴発信器と沖矢プラスになりがち (2022年7月17日 10時) (レス) @page23 id: d5d529a22f (このIDを非表示/違反報告)

作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ

作者名:りあ | 作成日時:2022年6月22日 15時

パスワード: (注) 他の人が作った物への荒らし行為は犯罪です。
発覚した場合、即刻通報します。