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ゆっくりと隣で眠る彼の方へ体の向きを変えれば、
暗闇に慣れた目は、仄かな常夜灯の光でも割とハッキリと彼の顔を映してくれる。
手を伸ばせば触れられる距離。
同じ布団の中で、微かに感じる体温。
だけどもう随分、触れていないし触れられていない気がする。
そうして今夜も、込み上げてくる感情を誤魔化すようにそっとベッドから降りて、寝室を出る。
あたしがリビングに行くと、寝床で丸まっていたチーちゃんが、またか、と言わんばかりにこちらを見た。
キッチンで半分に割った錠剤を一欠片流し込んでからソファーに身体を沈めれば、すぐにあたたかくて柔らかな毛玉が寄ってきてくれて、
ブランケット代わりのようにあたしの膝を温めてくれる。
本当に、最近のチーちゃんは優しいな…
そうして、あたしに強制的な眠気の迎えが来る頃合いを見計らったかのように、
すっと膝の上から降りて彼女が自分の寝床に戻っていくから、
そのタイミングであたしもまた寝室に戻った。
ベッドの中、ほとんど引き摺られるように眠りにつく直前、
こっそり彼の温もりがする方に伸ばした手。
その手が彼に触れたかどうか分からないまま、意識を手放した。
夢を見た。
内容はちっとも覚えていないけれど、
彼と手を繋いで、指先から伝わる温もりに涙が出るくらい幸せを感じた夢だった。
アラームのバイブ音に目を覚ますと、
少し暑かったのか、掛け布団を払うように投げ出された彼の腕があたしの顔の横まで伸びていて、
あたしの好きな綺麗な指先があたしの頬に触れる手前で止まっていた。
その指に、自分の指を絡めたくなった。
閉じた目蓋に、濃いめに浮かび上がった口周りの髭の剃り跡に、少し開いたままの唇に、
触れるだけのキスを落としたくなった。
そうしたら、
��ン…、朝から何やねん…��
と少し鬱陶しそうに目を開けて、
だけど、少し乱暴にあたしの体を引き寄せて抱き締めてくれるんじゃないかって。
そんな甘い衝動が、あたしの中を駆け巡った。
だけど、どうしてだろう…
さっきまで夢の中ではあんなに容易く触れ合えた彼に、
今は触れる事ができないのは…
結局、彼を起こさないように静かにベッドを降りた。
リビングに行くと、寝床で丸まったチーちゃんが眠たそうに顔を上げた。
「おはよう、チーちゃん。」
彼女に向けたその声が、少し震えて響いたのは、きっと寝起きのせい。
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まめまめた(プロフ) - 渡璃凛さん» 渡璃凛さん☆はじめまして！コメントありがとうございます！文才なんて恐れ多いっ( ；´Д｀)誤字脱字だらけののろのろ更新ですが、引き続きよろしくお願いします(^^) (2020年9月9日 13時) (
レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
渡璃凛(プロフ) - 初めまして！更新めっちゃ嬉しいです！その文才本当にリスペクトしております、、！更新頑張ってください！！ (2020年9月5日 14時) (レス) id: d9624783f4 (このIDを非表示/違反報告)
まめまめた(プロフ) - ブルームーンさん» ブルームーンさん☆パワーワード笑確かに！笑 (2020年7月13日 12時) (レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
ブルームーン(プロフ) - こんにちはm(_ _)m「章ちゃんの相方ちゃん」…なんてパワーワード…呼ばれたい…(ストーリーの主旨と離れててすみません) (2020年7月5日 22時) (レス) id: a475b78d7e (このIDを非表示/違反報告)
まめまめた(プロフ) - あーばるさん» あーばるさん☆コメントありがとうございます！他の作品も読んでいただいているとは、有り難し( ´∀｀)今のところ丸山さん出番少ないですが、ここから出番が増えますので、お楽しみいただけるようがんばります！ (2020年7月5日 19時) (レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめまめた
| 作成日時：2020年1月28日 14時
