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「えっと…あの…」
幸いにもウチは社内恋愛禁止だとか、そんな堅苦しい社風ではない。
だがしかし、これまでヤス以外の人に丸山さんとの事は話していない。
(そもそも、人付き合いの悪いあたしにはヤス以外に特段親しい同僚がいないのだが)
それでなくとも、いつ終わるとも分からない��お試し期間��の関係を、わざわざ人に吹聴して回る事もなかろう。
しかも、あたしは決して好感度の高い人間ではないので、あたしと付き合っているという事で丸山さんの評判に障りが出ても申し訳ない。
ーーこんな場合の対応を丸山さんと話し合っておくべきだった…
遠慮がちに、だけどしっかりあたしの目を見て問い掛けてくるエリちゃんの目は、
好奇心とかそういった類のものではなく、もっと真剣で少し不安な色をしていて、
それはきっと絡みづらい先輩に対峙しているが故の緊張なんかじゃなくて、
あたしには嬉しくない感情から来るものなんだろうな…
なんて思った。
そんな彼女に真実を告げる事も、適当な誤魔化しで逃げる事も、どちらも憚られて言葉を繋げられずにいると、
「偶然映画館で会うたんよ、なぁ？」
はんなりとした声が、降ってきた。
「浅井さん、ボクと映画の趣味が似てはるみたいで、ちょいちょい遭遇するんよなぁ？」
いつの間に現れたのか、エリちゃんの背後には完璧な笑顔と理由を用意した丸山さんが立っていた。
「ーーっ、そうなんですよね。
この間ので、何回目でしたっけ。」
咄嗟に話を合わせて微笑んだつもりのあたしの顔は、おそらく引き立っていたことだろう。
だけど、元々無愛想なあたしの表情の曇りなど、誰も気付きはしない。
「なんだぁ、そうだったんですね。
え〜丸山さん、映画好きなんだぁ。
どんな映画を観るんですか？」
安心したように表情を綻ばせ、弾んだ声で丸山さんに向かうエリちゃんはあたしから見ても可愛らしくて、
「んー、ボクは割とマニアックかも知らんなぁ。」
応える丸山さんもキラキラ柔らかい笑顔で、
もうこの会話にあたしは必要ないことを悟って、じゃあ、と小さく声を掛けてから足早に席に向かった。
隠しておきたいと思っていたはずなのに、
丸山さんの口から否定されるのは、思いの外ダメージが大きかった。
仕事終わりにケータイを見ると、丸山さんからメッセージが届いていた。
『ごめん』
あのやり取りの直後に送られていたその言葉の意味を、今は考えたくなかった。
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さくらもち - 更新されていた当時からこっそり読ませて頂いていました。久しぶりに読んでみて、やっぱりまめまめたさんの作る世界が大好きで、ずっと1番です。もうここにはいらっしゃらないかもしれませんが、どうか届きますように。 (3月7日 2時) (
レス) id: 5f7a39fac4 (このIDを非表示/違反報告)
まめまめた(プロフ) - ブルームーンさん» ブルームーンさん☆今回も最後までお付き合いありがとうございます！こんな贅沢な眠れない夜なら大歓迎ですよね(//∇//)続き、やっぱり気になります？今妄想中のお話が書けたら、続編頑張ってみようかなぁ… (2021年6月4日 19時) (レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
ブルームーン(プロフ) - 飲みの帰りに大倉くんに焼きモチ焼かれて、安田くんに１日一人占め宣言されて、横山くんがゲロ甘…。こんな夜過ごしたらバチ当たるよね！バチ当たりたい！！続編、何卒m(__)m (2021年6月4日 2時) (レス) id: d5063d2f63 (このIDを非表示/違反報告)
まめまめた(プロフ) - ブルームーンさん» ブルームーンさん☆新しいアルバムの特典とかにどうですか？！笑 お願いします、インフィニティさん（^人^） (2021年1月25日 13時) (レス) id: a925dd1186 (このIDを非表示/違反報告)
ブルームーン(プロフ) - え…この乙女ゲーム、どこでダウンロードできますか？(笑) (2021年1月23日 2時) (レス) id: a475b78d7e (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：まめまめた
| 作成日時：2020年9月9日 13時
