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「てことがあってね」
「へえ、少年探偵団か」
どこか懐かしそうにその名を呼ぶ降谷を不思議に思いながら、私は子供たちとの事を話した。勿論結婚関連の話はしていないけれど。
「キミが楽しそうで安心したよ」
「えっ」
「ん?」
私に関しては特に興味がないのではと思っていたので降谷から出た言葉につい驚いてしまった。
「いや……零さんが安心したとか……言うから」
なんだか恥ずかしくなり、目を逸らし俯くと降谷から優しい笑い声が漏れる。
「正直仕事を辞めた事を心配してたんだ。家事はもちろん忙しいだろうが、今までよりも人と接する時間が無くなってしまっただろう?」
「まあ……」
「だからキミが友人と出かけたり、出先で楽しそうにしてくれる事がなぜだかとても安心する……。出来るだけ辛い思いをさせたくないと今は思ってるんだ」
降谷の言葉に胸がじわりと温かくなっていくのを感じた。この人は本当にズルい。こんなこと言われたらどうしても期待してしまうのだ。他の女性には言ってないことを願うくらいには独占欲と嫉妬心も生まれてしまう。
「嬉しい……ありがとう」
「いや……」
もしかして、結構上手く行ってるのではないだろうか。以前よりも明らかに降谷の態度は柔らかくなり、こうして度々気持ちを伝えてくれる。
「そろそろ寝るか」
「あ、うん」
ベッドは1つしかないのでたとえ両想いでなくても2人で一緒に寝ている。背中合わせだけど。
それでも、背中から感じる降谷の体温は温かく、呼吸のリズムが心地よく、よく眠れるのだ。
「おやすみ」
「おやすみ零さん」
いつかまた向かい合って眠れる日が来ますように、そう祈りながら眠りについた。
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メインストーリーの話数が少ないので追加の話を作ってるんですが手こずりまくってます。そのうち更新ペース安定してくると思うので……!
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ゆ(プロフ) - ぱぱんださん» 殴り書き文に丁寧に感想くださりありがとうございます。勿論一部の方のみというのは重々承知ですのでこれからも私は続けていきたいと思います (2018年6月11日 1時) (レス) id: 4d1a807fc3 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - が自身もよくわかるだけに、思わず長々とコメントしてしまいました。失礼致しました。そんな方たちばかりではないこともまた、わかっていらっしゃるかと思いますのでこれからもぜひ、更新頑張って下さいね(*^^*)応援しております! (2018年6月9日 22時) (レス) id: d7440f8beb (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - 少し目につき、少々思うところはありました。それだけ人気なジャンルであることは重々承知していますが、自分の作品として世に送り出す以上、最低限、マナーと責任は持つべきだと私は思います。持論を勝手に申し上げてしまって申し訳ありませんが、柚木様のお気持ち (2018年6月9日 22時) (レス) id: d7440f8beb (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - 前作から密かに読ませていただいております。ツンツンな降谷さん、とても素敵です!今回、騒動の件を読んでコメントさせていただきました。正直な所そのようなことが起こっていたことすら知らなかったのですが、無断転用や転用とまでいかなくとも非常に似た類似作品など (2018年6月9日 21時) (レス) id: d7440f8beb (このIDを非表示/違反報告)
*柚木*(プロフ) - アレンさん» だいぶ感情に任せて書いたので無茶苦茶な文だったと思いますが読んで下さり、また同意してくださりありがとうございます。このような事を起こらせないことは難しいですが、そういった作品を消して行く事は可能です。お互い良い創作活動ができるよう頑張りましょう。 (2018年6月9日 7時) (レス) id: 4d1a807fc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*柚木* | 作成日時:2018年4月1日 21時