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「降谷さんと何かありましたか」
「あはは、やっぱわかります?」
「今日は午後からやけに不機嫌でしたから……」
あの降谷の部下なだけあって、上司の顔色を伺うのは得意らしい。散々振り回されてきたんだろうなと苦笑いが零れる。
「あの人は、顔も頭も運動神経も良い。そして仕事もよくできる」
「え?あ、はぁ」
突然降谷を褒めだした風見にポカンとした表情になる。その後もいくつか褒め続ける。
「同性の私から見ても魅力的な人だ。失礼ですが、1人の女性のモノになるには惜しいとも思います」
その言葉にドキリとする。
確かに私と彼では少しどころかだいぶ釣り合わないと自覚している。あんなテレビで見るような素敵な男が至って平凡な私と歩いていて大半の人が疑問に思ってしまうのではないだろうか。
「しかしそんな彼にも弱い所はある」
「弱い…………所?」
「不器用なんです、とても」
「そうですか……?」
不器用なんて似合わない言葉だと思うけれど……と続けると、風見は少し微笑みながらお酒を少し口に入れた。
「そういう所ですよ、自分の気持ちをあなたに隠している」
「……隠してる?」
「ある意味器用に隠してますが、それはつまり自分の気持ちを正直に伝えられないほど不器用でもあるということです」
降谷の本当の気持ち、というのは私に対する気持ちの事だろうか。
キッパリと告げた私にまだ何か隠しているというのだろうか。まさか、私の事が好きだとでも?
「ないですよ、そんなわけ」
「もちろん私もそう思ってました。彼が恋愛だなんて、あまりにも想像がつかない」
散々な言われようだな……。その恋愛相手候補が私だというのにわかってしまうのが少し複雑である。
「まあ……まだこれは仮説です。私に降谷さんの気持ちを完全に解析する事はできません。もし気になるようでしたらご本人に確認してはいかがですか?
こんなところでふらついてないで」
私よりも、そして降谷よりも年上の彼の小さなお節介とお説教だ。今日は大人しく帰ろう、そう思った。
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お久しぶりです。また更新していくのでよろしくお願いします〜
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ゆ(プロフ) - ぱぱんださん» 殴り書き文に丁寧に感想くださりありがとうございます。勿論一部の方のみというのは重々承知ですのでこれからも私は続けていきたいと思います (2018年6月11日 1時) (レス) id: 4d1a807fc3 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - が自身もよくわかるだけに、思わず長々とコメントしてしまいました。失礼致しました。そんな方たちばかりではないこともまた、わかっていらっしゃるかと思いますのでこれからもぜひ、更新頑張って下さいね(*^^*)応援しております! (2018年6月9日 22時) (レス) id: d7440f8beb (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - 少し目につき、少々思うところはありました。それだけ人気なジャンルであることは重々承知していますが、自分の作品として世に送り出す以上、最低限、マナーと責任は持つべきだと私は思います。持論を勝手に申し上げてしまって申し訳ありませんが、柚木様のお気持ち (2018年6月9日 22時) (レス) id: d7440f8beb (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - 前作から密かに読ませていただいております。ツンツンな降谷さん、とても素敵です!今回、騒動の件を読んでコメントさせていただきました。正直な所そのようなことが起こっていたことすら知らなかったのですが、無断転用や転用とまでいかなくとも非常に似た類似作品など (2018年6月9日 21時) (レス) id: d7440f8beb (このIDを非表示/違反報告)
*柚木*(プロフ) - アレンさん» だいぶ感情に任せて書いたので無茶苦茶な文だったと思いますが読んで下さり、また同意してくださりありがとうございます。このような事を起こらせないことは難しいですが、そういった作品を消して行く事は可能です。お互い良い創作活動ができるよう頑張りましょう。 (2018年6月9日 7時) (レス) id: 4d1a807fc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*柚木* | 作成日時:2018年4月1日 21時