marriage of convenience 2 【降谷零】

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｢すまんのぉ、わざわざ来てもらって｣
｢いえ、先日のお礼もまだ出来ていませんでしたのでお力になれたのなら光栄です｣

阿笠博士が主婦向けに発明した道具に専業主婦である私の意見が欲しいと志保に呼び出されたのは今日の朝の事。
新一からは阿笠博士はガラクタばかり作っていると聞いていたがそれでも十分凄い人だと思う。

｢なー博士、俺達にもなんか面白いもん作ってくれよー！｣
｢そうですよー、ねえ歩美ちゃん｣
｢うん、私達最近暇なんだー｣

博士の所によく遊びに来ているというこの小学生達は少年探偵団というらしく、様々な事件を解決してきていると先程散々この子達に語られた。その活躍はこの辺りでは有名なようでなんと警察まで関わるような事件の解決までしてきたという。

｢博士、何か作ってあげたら？｣
｢ほら！あい……志保お姉さんもそう言ってるし！｣

博士の家によく来ているからなのか、子供達と志保は仲が良いようだ。歳は私との方が近い筈なのに、と不思議に思った。

｢あら、どうかしたの？｣

私の様子に気づいたのか志保がこちらを不思議そうに見る。

｢いや……志保ちゃんと歩美ちゃん達は本当に仲良しなんだなって思って｣
｢当たり前だよ！志保お姉さんは私達少年探偵団の仲間だもん！｣

歩美ちゃんの発言に他の2人も声を上げて同意をする。子供達のその言葉に志保はどこか嬉しそうに微笑んだ。

｢新一お兄さんもだよ！｣
｢え、新一君も？｣
｢うん！私達の頼りになる仲間だよ！｣

新一が少年探偵団の一員だとすると、先程聞いた活躍にも頷ける。警察絡みの事件も新一が率先して解決に導いたのだろう。

1人で頭の中で納得していると歩美が質問を私に投げかけた。

｢ねえ、Aお姉さんって結婚してるんだよね？｣
｢え、うん。まあね｣
｢結婚って楽しい？｣

その瞬間、志保と博士の表情が少し変わったのは気のせいではないだろう。

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