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「ふ、降谷さん……それは」
「なんだ急に……」
花もなければめでたい話題も滅多にない公安のオフィスがざわついたのは、若くして実力を兼ね備え部下達から慕われている降谷零が原因である。
「そのお弁当は……降谷さんが?」
「……妻が作ったに決まってるだろう」
その発言でさらに周囲がざわついた。
降谷の昼食といえば、牛丼やラーメンといった日本のソウルフードばかりで、手作りお弁当を食べている姿など誰も見た事がなかったのだ。
降谷の料理上手は公安の中でもそれなりに有名な話だが、あくまで潜入のために取得したものでそれを自分のために使うことはなかったのだ。
「その様子だと、奥様とは仲直りできたんですね」
「ああ、まあ……ありがとな。風見」
降谷にお礼を言われることは滅多にないので照れを隠すように自分の腹を満たそうと外に出た。
風見はこの時、プライドエベレスト上司に振り回されることをまだ知らなかった。
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「零さん、おかえりなさい」
「ああ、ただいま」
あの日から降谷は私にありのままの姿を見せてくれるようになった。いつも笑顔の安室透でもなく、厳しいだけの冷酷な降谷零でもない。
「ビール飲む?」
「飲む、ありがとう」
缶ビールを渡すと降谷はプシュッと音を立てて開け、それを一気に喉に入れた。
気持ちいい、と言わんばかりの顔を見ると自然とこちらも笑みが溢れてくる。
「そういえば、お父さんがたまには顔を見せろって言ってたよ」
「そうか……じゃあまた時間を作るよ」
「うん、伝えておくね」
望んでもない結婚であったのにこうして普通の夫婦のようにしてくれるのは、やはり降谷の元々持ってる人間性というものだろうか。もしかして、無理をさせてしまってるのではないかと不安に思うことは何度があるが、彼が直接言ってくるまでは聞かないでおこうと思った。
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ついに続編です。
改めてよろしくお願いしますm(_ _)m
トプ画は出来次第変えます。
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ゆ(プロフ) - ぱぱんださん» 殴り書き文に丁寧に感想くださりありがとうございます。勿論一部の方のみというのは重々承知ですのでこれからも私は続けていきたいと思います (2018年6月11日 1時) (レス) id: 4d1a807fc3 (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - が自身もよくわかるだけに、思わず長々とコメントしてしまいました。失礼致しました。そんな方たちばかりではないこともまた、わかっていらっしゃるかと思いますのでこれからもぜひ、更新頑張って下さいね(*^^*)応援しております! (2018年6月9日 22時) (レス) id: d7440f8beb (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - 少し目につき、少々思うところはありました。それだけ人気なジャンルであることは重々承知していますが、自分の作品として世に送り出す以上、最低限、マナーと責任は持つべきだと私は思います。持論を勝手に申し上げてしまって申し訳ありませんが、柚木様のお気持ち (2018年6月9日 22時) (レス) id: d7440f8beb (このIDを非表示/違反報告)
ぱぱんだ(プロフ) - 前作から密かに読ませていただいております。ツンツンな降谷さん、とても素敵です!今回、騒動の件を読んでコメントさせていただきました。正直な所そのようなことが起こっていたことすら知らなかったのですが、無断転用や転用とまでいかなくとも非常に似た類似作品など (2018年6月9日 21時) (レス) id: d7440f8beb (このIDを非表示/違反報告)
*柚木*(プロフ) - アレンさん» だいぶ感情に任せて書いたので無茶苦茶な文だったと思いますが読んで下さり、また同意してくださりありがとうございます。このような事を起こらせないことは難しいですが、そういった作品を消して行く事は可能です。お互い良い創作活動ができるよう頑張りましょう。 (2018年6月9日 7時) (レス) id: 4d1a807fc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*柚木* | 作成日時:2018年4月1日 21時