5 ページ5
「あら、お昼まだだったの?」
「実は引越しの片付けをしてたら食べ損ねちゃって」
簡単にすまそうと根菜チキンのサラダラップとアイスコーヒーを頼んだ。佐藤もアイスコーヒーを頼む。
「今日は非番ですか?」
「ええ、でも彼とは合わなくて……今日は1人で家で過ごそうと思ってたの。でも、外に出て正解だったわね、Aちゃんに会うのは久しぶりだもの」
「色々と忙しかったみたいですね」
父も含めてそうだが、一時期警察はとても忙しかったという。何故かニュースでは詳しいことは放送されなかったが、ある世界規模に展開していた犯罪組織をついに壊滅させたらしい。母が言うにはひどい時は1週間以上父は家に帰ってこれなかったらしい。降谷ももしかしたらそれらに関わっていたのかもしれないと思うと、改めて警察という仕事の大変さに同情する。
「まーね、まあいつでも事件は起こるから結局忙しいのには変わりないんだけどね」
苦笑いしながら答える佐藤は、それよりもと顔をニヤニヤとさせていた。
「結婚相手のこと、詳しく教えなさいよ」
恋愛話が好きではないと思っていた佐藤からのその言葉に意外だと目を丸くした。
「父の紹介で、所謂お見合いです」
「結婚したってことは相手、結構いい人だったの?」
「はい、確か階級的には警視正だったかな?まあ私も仕事のことはあまり知らないけれど、とても誠実でいい人ですよ」
そこまで言うと佐藤はいいな、と呟いた。
「美和子さんだって、彼は美和子さんしか見えてないって由美さん言ってましたよ?」
「そうなのかしら、でもやっぱり結婚っていいわよね」
「なんだか以前の美和子さんからは想像出来ないようなことばかり言いますね」
正直にそう告げると佐藤は頬をかきながら笑った。
「やっぱり結婚した人見てて思うのよね、幸せそうだなーって」
ちょっと羨ましい、そういった佐藤はいつもの何倍も可愛らしく見えた。高木渉、彼女は待ってるぞ……、早くプロポーズしてやれ!
会ったこともない高木に心の中で呼びかける。
しかし自分が羨ましいと言ってもらえる対象にあることには悪い気はしなかった。
609人がお気に入り
この作品を見ている人にオススメ
「名探偵コナン」関連の作品
感想を書こう!(携帯番号など、個人情報等の書き込みを行った場合は法律により処罰の対象になります)
*柚木*(プロフ) - にゃーのまるさん» ありがとうございます。続きも頑張って書いていきますので応援よろしくお願いします! (2018年4月2日 10時) (レス) id: 4d1a807fc3 (このIDを非表示/違反報告)
*柚木*(プロフ) - nanoka(*´∀`)さん» お返事遅くなり申し訳ありません。嬉しいお言葉ありがとうございます (2018年4月2日 10時) (レス) id: 4d1a807fc3 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーのまる(プロフ) - 主人公の恋がなかなか叶わないのって夢小説だと少ない方なのでそれプラスキャラ作りが固まっていて引き込まれるストーリーで良かったです。 (2018年4月2日 4時) (レス) id: 4d95e3749f (このIDを非表示/違反報告)
nanoka(*´∀`)(プロフ) - 凄く、心撃ち抜かれました← これから好きになってくやつですね!!すごい好きです!続き、首長くして待ってます!! (2018年3月28日 23時) (レス) id: 3399c25298 (このIDを非表示/違反報告)
*柚木*(プロフ) - ひゆめさん» いつもありがとうございます〜!頑張ります(^^) (2018年3月24日 2時) (レス) id: 4d1a807fc3 (このIDを非表示/違反報告)
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名:*柚木* | 作成日時:2018年3月8日 22時