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まずい、その言葉がすぐに出てきてゴクリと唾を飲み込む。彼女からしたら彼氏が友人の女(ライバル)に壁ドンして迫っているという最悪な状況だ。
降谷と黙って彼女がどんな言葉を発するのか見ていると、千景の瞳が少しずつ涙で潤んでいき、そのまま走ってどこかに行ってしまった。

降谷は彼女を見ていて隙ができており、そこをついて千景を追いかけるように走った。彼が後ろで何かを叫んでいたが、今は彼女のことを優先したかった。


「すみません、こっちに走っていく女性見ませんでしたか!?」
「あ、それならあっちの控え室に……」

通路にいた人に言われた通りに急いで部屋に入ると真っ暗な部屋に千景がポツンと立っていた。

「千景ちゃ……」
「二人ってもしかしてそういう関係だったの……?二人で私をからかってたの!?

「ち、ちが」
「何が違うって言うのよ!!じゃあさっきのは何なの!?」

暗くてよく見えないが千景の綺麗なメイクは少しだけ涙で崩れていた。それが更に千景の内心を表しているようだった。
何故彼女は頑なにこちらの話を信じないのだろうか、確かに私は彼女に嘘をつく時の癖があると教えられた。しかしここは暗い部屋の中、顔は見えるもののシワの1つ2つの動きまでは見ることが出来ない。


……もしかして、彼女は既にわかっていたのではないだろうか。
私が安室透と……というよりも、安室透が冗談ではなく本当に千景のことを愛していないことを。

「千景ちゃ……」
「もう出てって!!」
「いっ……!」

ガシャンと音が響くとともに顔に痛みが走る。足元には割れたグラスが落ちていた。千景は一瞬驚いたような表情をするが、すぐに私を睨みつけてそのまま部屋から無理矢理出した。

明るくなったところで傷口を触ってみるとそこそこの量の血が流れていた。

「何があった!」
「……大丈夫」
「いいから来い」

ちょうどこちらに来た降谷に多目的トイレへ連れていかれる。降谷は胸ポケットからハンカチを取り出し、止血して水で傷口を洗ってくれた。

「零さ……」

彼の名を呼ぼうとしたと同時に彼は自分の携帯の振動に気づき、こちらを見るまでもなくその電話に出た。


「何?それは本当か、風見」
「……どうかしたの?」

電話を切ったあとも何かを考える素振りをする降谷に問いかけると彼はやっとこちらを見た。


「原田千景が危ないかもしれない……」

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*柚木*(プロフ) - にゃーのまるさん» ありがとうございます。続きも頑張って書いていきますので応援よろしくお願いします! (2018年4月2日 10時) (レス) id: 4d1a807fc3 (このIDを非表示/違反報告)
*柚木*(プロフ) - nanoka(*´∀`)さん» お返事遅くなり申し訳ありません。嬉しいお言葉ありがとうございます (2018年4月2日 10時) (レス) id: 4d1a807fc3 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーのまる(プロフ) - 主人公の恋がなかなか叶わないのって夢小説だと少ない方なのでそれプラスキャラ作りが固まっていて引き込まれるストーリーで良かったです。 (2018年4月2日 4時) (レス) id: 4d95e3749f (このIDを非表示/違反報告)
nanoka(*´∀`)(プロフ) - 凄く、心撃ち抜かれました← これから好きになってくやつですね!!すごい好きです!続き、首長くして待ってます!! (2018年3月28日 23時) (レス) id: 3399c25298 (このIDを非表示/違反報告)
*柚木*(プロフ) - ひゆめさん» いつもありがとうございます〜!頑張ります(^^) (2018年3月24日 2時) (レス) id: 4d1a807fc3 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:*柚木* | 作成日時:2018年3月8日 22時

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