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私に無自覚に言ってしまった降谷は口元を押さえた。しまった、と言った様子だった。
｢零さん……｣
｢お前は何処か安全な場所にいろ、ここでもいい｣
降谷の服を掴むと、降谷はその手を上から剥がそうと自分の手に力を入れた。私は彼の服に皺を作ってしまうのも考えていられないほどに剥がされまいと必死に手に力を入れる。
｢零さん！！｣
｢ダメだ、連れてはいけない｣
｢お願いします……千景のそばにいてあげたいの……｣
降谷の目を見つめる。彼は全く連れていく気はないという顔をしていた。私は更に手に力を込める。
｢どうしてキミはそうやって……｣
呆れたと言いたいのか大きくため息をついた降谷に思わず口が動いてしまった。
｢ダメですか……？｣
｢……？｣
｢確かに私は警察ではないけれど、警察である父の正義感を尊敬しているし、私にだってある。
一般人が正義の心を持つことはそんなにいけないことなんですか……？｣
降谷は目を見開いた。じっと数秒間私と視線を交わす。降谷はゆっくりと閉じていた口を開いた。
｢確かに……正義に憧れる一般人はいるさ、憧れの延長として警察に就くやつもいる。
訓練も受けていない一般人だからといってそういった心を持つのは決して悪い事ではない、むしろ褒めてやってもいいくらいだ。他人を守ることは簡単にはできない｣
だが……と降谷は言葉を続けた。
｢それと危険に自ら足を運ぶことは全く関係ない｣
完全に行き場を封鎖されてしまった私はそっと彼の服から手を離した。指が微かに震えていた。
しかし、降谷は離れていく私の手を止めるように掴んだ。私は突然のことに目を大きく開いて彼を見る。
｢ここにいても危険かもしれない。貴方のことを保護します。決して離れないように……｣
作り物の笑顔、それでも私は彼から目を離すことはできなかった。
彼の言葉から彼の考えていることがわかった。一般人の私を捜査に関わらせていいはずも無いし、只のトイレが危険なわけがない。
しかし、保護という形であれば逆に彼から離れない方がいい……つまり、千景の元に彼が私を連れていくことが出来る。
勿論、言葉が違うだけでありやっている事は大して変わりはしない。それでも彼は私を連れていくことを決めたのだ。
ああ、この手が一生離れなければいいのに……。
そう思いながら私達は千景の元へ走った。
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*柚木*(プロフ) - にゃーのまるさん» ありがとうございます。続きも頑張って書いていきますので応援よろしくお願いします！ (2018年4月2日 10時) (
レス) id: 4d1a807fc3 (このIDを非表示/違反報告)
*柚木*(プロフ) - nanoka(*´∀｀)さん» お返事遅くなり申し訳ありません。嬉しいお言葉ありがとうございます (2018年4月2日 10時) (レス) id: 4d1a807fc3 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーのまる(プロフ) - 主人公の恋がなかなか叶わないのって夢小説だと少ない方なのでそれプラスキャラ作りが固まっていて引き込まれるストーリーで良かったです。 (2018年4月2日 4時) (レス) id: 4d95e3749f (このIDを非表示/違反報告)
nanoka(*´∀｀)(プロフ) - 凄く、心撃ち抜かれました← これから好きになってくやつですね！！すごい好きです！続き、首長くして待ってます！！ (2018年3月28日 23時) (レス) id: 3399c25298 (このIDを非表示/違反報告)
*柚木*(プロフ) - ひゆめさん» いつもありがとうございます〜！頑張ります(^^) (2018年3月24日 2時) (レス) id: 4d1a807fc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：*柚木* | 作成日時：2018年3月8日 22時
