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「工藤さんは、夫と知り合いなんですか?」
「あ、はい。でも最近は会ってなくて……まさか結婚されてたとは……」
以前難事件があった時に協力して解決したことがあるらしい。
「でも、降谷さんということは……何かお仕事だったのでは?例えば恋人のふりをして犯人に近づいたとか……」
新一が降谷の浮気を肯定しないということは、彼も降谷がそんなことをする人だとは思っていないのだろう。それがわかると私は少しだけ安心した。
「勿論、そうかもしれないとは思いました……。でも私はそれよりも……」
私の知ってた彼とは別人のような彼が怖くて仕方がなかった。腕を組んで女性と歩いてるのを見た時よりも、降谷が私に少しの愛情も抱いてないと知ってしまった事の方が私はダメージが大きかった。
「私、浮かれてたんです……。カッコよくて、性格も申し分ない彼が私と笑顔で過ごしてくれて……。お見合いでも、まだ恋愛感情は完全じゃなくても、どんな形でもちゃんと夫婦になろうとしてくれてるんだって……」
最初から、彼が私に何の興味もなさそうにしていたらここまで傷つくことはなかったのかもしれない。彼がどんな女性と一緒にいようと、私に愛を囁いてくれないとしても、所詮政略結婚なんてそんなもんだと思えてたかもしれない。
でも、彼はちゃんと私に気持ちを伝えてくれていたし、何度も笑顔でいてくれた。
私にとっては幸せな時間だったのに、彼にとっては全て虚偽の時間だったことがどうしても受け入れられないのだ。
「Aさん……」
涙で濡れた顔を隠すように両手で覆う。
新一はハンカチを差し出した。私はそれを受け取って目元を拭う。
「彼のこと、私は好きなんです……」
「それならばやる事はひとつですね」
どういう事なのかわかっていない私に新一はニヤリと笑った。
綺麗なブルーの瞳が揺れる。
「降谷さんに、Aさんを好きになってもらいましょう」
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*柚木*(プロフ) - にゃーのまるさん» ありがとうございます。続きも頑張って書いていきますので応援よろしくお願いします! (2018年4月2日 10時) (レス) id: 4d1a807fc3 (このIDを非表示/違反報告)
*柚木*(プロフ) - nanoka(*´∀`)さん» お返事遅くなり申し訳ありません。嬉しいお言葉ありがとうございます (2018年4月2日 10時) (レス) id: 4d1a807fc3 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーのまる(プロフ) - 主人公の恋がなかなか叶わないのって夢小説だと少ない方なのでそれプラスキャラ作りが固まっていて引き込まれるストーリーで良かったです。 (2018年4月2日 4時) (レス) id: 4d95e3749f (このIDを非表示/違反報告)
nanoka(*´∀`)(プロフ) - 凄く、心撃ち抜かれました← これから好きになってくやつですね!!すごい好きです!続き、首長くして待ってます!! (2018年3月28日 23時) (レス) id: 3399c25298 (このIDを非表示/違反報告)
*柚木*(プロフ) - ひゆめさん» いつもありがとうございます〜!頑張ります(^^) (2018年3月24日 2時) (レス) id: 4d1a807fc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*柚木* | 作成日時:2018年3月8日 22時