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「ふ、ん……」
昨日散々泣いたせいなのか身体が異様に重たく感じる。
携帯しか持たずに家を飛び出した私は昨晩家に帰る以外に選択肢はなかった。
新一の両親は現在海外で暮らしているため、工藤邸には新一が一人で住んでいた。
大きい家であれ流石に男女が同じ家で二人きりで過ごすのはできないので、どうしようかと新一と二人で悩んだ結果、新一から絶大な信頼を誇る隣人の阿笠さんのお宅に泊まることを交渉してくれた。
「あら、起きたなら朝食手伝ってくれる?」
詳しいことは知らないが阿笠博士と訳あって同居してるという宮野志保は昨晩急な申し出をした新一に叱りはしたものの、私のことを放っておけないと泊まることを許可してくれた。
彼女はとてもクールで年上である私に遠慮ないが、彼女の事を詳しく知らない私でも皆にこんな感じなんだろうなと大体察しはついた。
「おお、Aさん。おはよう」
「おはようございます、ありがとうございました本当に……」
「それよりも、今日はどうするんだね?」
交渉をした時に簡単に事情は説明していた。降谷はお昼以降は仕事だろうしそのタイミングで一度家に帰ろう。
「今日一度家に帰ります。夫も仕事で居ないと思うので……、何にせよ財布とか持っておかないと」
「そうか……いやしかし、まだ新婚なのに家を飛び出すとは余程の事があったんじゃな……」
あはは、と苦笑いで返しながら志保の作った朝食を運ぶ。
「ねえ、工藤君が朝食済んだら家に来てくれって」
志保が携帯を私に見えるように差し出すと、そこには新一からのメールの文章が書いてあった。わかったと頷くと志保はコップを運んで席についた。
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*柚木*(プロフ) - にゃーのまるさん» ありがとうございます。続きも頑張って書いていきますので応援よろしくお願いします! (2018年4月2日 10時) (レス) id: 4d1a807fc3 (このIDを非表示/違反報告)
*柚木*(プロフ) - nanoka(*´∀`)さん» お返事遅くなり申し訳ありません。嬉しいお言葉ありがとうございます (2018年4月2日 10時) (レス) id: 4d1a807fc3 (このIDを非表示/違反報告)
にゃーのまる(プロフ) - 主人公の恋がなかなか叶わないのって夢小説だと少ない方なのでそれプラスキャラ作りが固まっていて引き込まれるストーリーで良かったです。 (2018年4月2日 4時) (レス) id: 4d95e3749f (このIDを非表示/違反報告)
nanoka(*´∀`)(プロフ) - 凄く、心撃ち抜かれました← これから好きになってくやつですね!!すごい好きです!続き、首長くして待ってます!! (2018年3月28日 23時) (レス) id: 3399c25298 (このIDを非表示/違反報告)
*柚木*(プロフ) - ひゆめさん» いつもありがとうございます〜!頑張ります(^^) (2018年3月24日 2時) (レス) id: 4d1a807fc3 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:*柚木* | 作成日時:2018年3月8日 22時