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私の髪と目を何度も見比べている。そんな姿を見れば、この子が何を体験してきたのか、大体の察しは付く。だから
『内緒にしてね?』
しーっ……て、口に指一本を立てて言った私の言葉に同時に首を傾げる双子ちゃん。手を右目に持っていけば、そのままコンタクトを外す。そうすれば指に付いた赤。外気に触れる本物の色。
「「きいろ!」」
双子ちゃんの声が揃い、キラキラとした目を向けられる。特に私の髪を握っている子から。この子の見た目は、日本人にしては珍しい髪色と目だ。大人には好奇の目を向けられ、同い年の子には色々言われるんだろう。私もじろじろと鬱陶しい視線を受けてるし。慣れたもんだけど。
相手が子供だからと言って、普段見せることない本当の姿。梅ちゃんから視線を感じるけど、知らぬふりを貫く。
髪を持つ子の気が済むまで、私は笑顔を向けたまま動かず待機。そんな私たちの横では、梅ちゃんが片割れくんと目線を合わすように屈んで「母さんや父さんは?」と質問した。
「かあさん、まいごなの」
「そ、そうか……」
多分というか絶対に、君たちの方が迷子だ……と、私と梅ちゃんの心はシンクロしたことだろうよ。
──双子ちゃんたちの母を探すため、人混みの中を歩く。
「うめちゃん、たかーい!」
とキャッキャッと楽しそうにしているのは、梅ちゃんが肩車してる黒髪少年の“そう”くん。そして私の服をちょっとだけ握って歩いてる金髪少年は“りょうや”くんだ。二人が互いの名前を呼びあったことでわかったのよ。
梅ちゃんがそうくんを肩車している理由は簡単。そうくんにお母さんを探して貰うため。ほら。私たちはお母さん知らないから。肩車してれば、お母さんの方がそうくんに気付くかもしれないしね。
屈んだ梅ちゃんに『動くなよー』って一声掛けてから、そうくんの両脇に手を入れて梅ちゃんへ乗っけたんだ。拒否権?なにそれ?あは。
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雪丗(プロフ) - 新玲乃音元iqqvyuuさん» ここはこっちゃむ様との合作作品のコメント欄ですので、そのお話は私個人のボードかメッセージへお願いします。 (2019年9月11日 11時) (レス) id: 61bafc2705 (このIDを非表示/違反報告)
新玲乃音元iqqvyuu(プロフ) - 雪丗さん» 後々になったけど、コナン作品の新しい小説も公開しているので、宜しくお願いします。 (2019年9月10日 21時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
新玲乃音元iqqvyuu(プロフ) - 雪丗さん» 色気って言うより、あの台詞で……目眩までは、いかなかったけど、たまたま、ベッド近くで読んでてとつぜん【ゴン…】としてしまったのですよ。 (2019年9月10日 21時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 新玲乃音元iqqvyuuさん» 赤井さんの色気に当てられ目眩を起こし頭を強打ですか。痛いですね。申し訳ない(×_×)ですが赤井さんの色気はあれっぽっちではないと思うんです。ただあれ以上になると全年齢での閲覧は不可能なので抑えた結果がこれです!(笑)閲覧にコメントありがとうございました(^^) (2019年9月10日 21時) (レス) id: 61bafc2705 (このIDを非表示/違反報告)
新玲乃音元iqqvyuu(プロフ) - お二人とも、お疲れ様です! 最後の最後で赤井さんとの風呂のやり取りのあれは、あかんやろ!自分、頭を壁にぶつけてしまいました。 次回作や合作もがんばってください (2019年9月10日 8時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪丗&こっちゃむ x他1人 | 作成日時:2019年7月18日 9時