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「……いた」
『どこ?』
「あそこ」
と指差す方へ顔を向けるが、人の背中しか見えん。背伸びしたりぴょんぴょん跳ねたが、見えないものは見えない。邪魔だ!散れ!!と内心で訴える。すると
「チビ過ぎて見えねぇのか」
『あ"?』
私の発した声と怒りを込めた眼光に、梅ちゃんは「こっちだ」と逃げるように人混みをすり抜けて行った。
(逃げ足だけ速くなりやがって……ぴよ助が……)
と内心で悪態を付く。ふぅ……と息を吐いて、ぴよ助の背を追いかけることに。気配を頼りに人混みをすり抜けてれば、見慣れた背中を見つける。声を掛けようとしたところで視界に入ったのは、ぴよ助の足元にいた小さな影だった__。
──ポロっと漏れた本音に、神谷からやな気配を感じ取り速攻移動する。人混みをすり抜けながら、追い掛けて来ねぇあいつに少しだが安堵した。
俺が見つけた小せぇ二匹っつーのは、幼稚園児くらいのガキのこと。一人は黒髪一人は金髪で、揃いの甚平を着ていた。
神谷に金を落とさせてる短時間で、店先を三回も通りすぎりゃイヤでも目につく。しかも保護者らしき姿はねぇし、三回目には何かを探すように首を動かしてた。どう考えても迷子だろ。
さっき目にしたガキ共がいたとこまで来たが、既に移動したあとだった。ほんの少し神谷に視線を向けただけだったんだぞ……猫ども並みに素早い。
視界の端に光る金髪を見つけて追いかける。既に親を見つけたあとなら、見て見ぬ振りすればいいと。
人混みに紛れた状態のまま見つけたが、やはり近くに親らしきやつは居なかった。顔を上げてしきりに首を動かすのを見るに探し中だろ。そんなガキ共に近付いて
「お前ら。さっきからちょろちょろしてるが、親はどうした?」
覗き込むように声を掛ければ、黒髪のガキの後ろに隠れた金髪のガキ。二人の顔が近付いたところで気付いた。
黒髪黒目の褐色肌のガキと、金髪碧眼の褐色肌のガキ。僅かに違うだけで瓜二つの顔。双子だってことに。
(一緒に動き回ってっから仲が良いっつーのは察してたが、まさかの双子かよ。しかも……金髪の方は見たことある。とんでもなく……)
逸らすこと無く凝視していれば、じわっと両目に涙を浮かべ始めた。それを見た瞬間、
「げっ!?まてまて!泣くな!?」
「っ!?うぅー……」
俺が大声を出したからか顔を歪め出す。口を開いて声を上げる寸前
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雪丗(プロフ) - 新玲乃音元iqqvyuuさん» ここはこっちゃむ様との合作作品のコメント欄ですので、そのお話は私個人のボードかメッセージへお願いします。 (2019年9月11日 11時) (レス) id: 61bafc2705 (このIDを非表示/違反報告)
新玲乃音元iqqvyuu(プロフ) - 雪丗さん» 後々になったけど、コナン作品の新しい小説も公開しているので、宜しくお願いします。 (2019年9月10日 21時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
新玲乃音元iqqvyuu(プロフ) - 雪丗さん» 色気って言うより、あの台詞で……目眩までは、いかなかったけど、たまたま、ベッド近くで読んでてとつぜん【ゴン…】としてしまったのですよ。 (2019年9月10日 21時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
雪丗(プロフ) - 新玲乃音元iqqvyuuさん» 赤井さんの色気に当てられ目眩を起こし頭を強打ですか。痛いですね。申し訳ない(×_×)ですが赤井さんの色気はあれっぽっちではないと思うんです。ただあれ以上になると全年齢での閲覧は不可能なので抑えた結果がこれです!(笑)閲覧にコメントありがとうございました(^^) (2019年9月10日 21時) (レス) id: 61bafc2705 (このIDを非表示/違反報告)
新玲乃音元iqqvyuu(プロフ) - お二人とも、お疲れ様です! 最後の最後で赤井さんとの風呂のやり取りのあれは、あかんやろ!自分、頭を壁にぶつけてしまいました。 次回作や合作もがんばってください (2019年9月10日 8時) (レス) id: c000802a3c (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:雪丗&こっちゃむ x他1人 | 作成日時:2019年7月18日 9時