仲直りは難しい。 (ページ7)

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中也side

彼奴の声が聞こえたが気のせいか。

『ついには幻覚まで見えるようになってしまったか……俺…。』

太宰｢幻覚じゃないよ｣

はぁ…………

会いたくないから外に出たのに。

太宰｢君が留守番電話に気づかないって事はないと思うのだけど。｣

『そんなもん知らねェな。あったのか。』

太宰｢嘘だ。絶対気づいてた。だって君は私の電話には絶対出てくれていたじゃないか。｣

『…………。』

何か言わないと怪しまれるのに。

言葉が出ない。

太宰｢その様子、何かあった？｣

『……別に。』

やっと振り絞って出せたのがこれ。

思春期の学生かなんかか。俺。

太宰｢どーしたの？？目も合わせないで。……ほらっ！目を見て言って？？｣

太宰が俺の顔をつかんで自分の方向にした。

嫌だ。

お前の顔を見ると泣き出してしまいそうで。

辞めてくれ。

太宰｢その顔……。私絡みで何かあったんだね。……辛い思いさせる事、何かしたかな。

私の何がいけないのかちゃんと教えて欲しい。｣

『……別に、何も無い。』

太宰｢嘘だ。今にも泣きそうな顔してる。私の顔を見た時から。ごめんね、私、何かしたかな。｣

……手前が悪い訳じゃねぇ。

俺が全部悪いんだ。

俺が女じゃなかったのが悪い。

俺が可愛くなかったのが悪い。

俺が……

太宰を好きになってしまったのが…

うじうじ考えてても、前には進まない。

仕方ないから聞いてみることにした。

『なァ……聞くが、昼頃、隣に女連れて何してた？？』

太宰は目を丸くした。