【おそ松さん】ある学生の受難＜3＞【マフィア松】

図書館1 ページ3

今日は講義は無いが、私はチョロ松さんに付き添われて図書館へ向かっている。

私が通う大学の図書館の設立者は、オカルト知識に長けた人間だということを思い出したのだ。

そんな人が建てた図書館なら、そういった類いの本が何かあるかもしれない。

おそ松さん達が探している本そのものが無かったとしても、例え手掛かりすら掴めなかったとしても、オカルト知識を身につけておけば今後の解析にきっと役に立つだろう。

「じゃあ終わったら連絡してね。僕はそれまでスタバァにでもいるよ。」

最初はチョロ松さんにも手伝って貰おうと思っていたのだが、学生証無しでは目的のジャンルがある区画へは入れそうに無かったのだ。

『すみません、出来るだけ急ぐので…』

「あー大丈夫。こんなこともあろうかとタブレットとか持ってきておいたから。本当は入館証用意出来たら良かったんだけど、学校側のセキュリティあの時より厳しくなっちゃってて無理だった。じゃ、申し訳ないけどあとは宜しく。」

『はい、行ってきます。』

私は一人図書館に入っていった。

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『意外と多いな……』

誰に言うまでもなく私はぽつりと呟いた。

オカルトジャンルに関する本棚はかなり奥まった位置にあるので気付かなかったが、量は意外と多かった。

思っていたより時間がかかりそうだ。

比較的読みやすそうなものを数冊手に取りつつ、それらしい本が無いか丁寧に探していく。

両手に抱えきれなくなったら閲覧用のテーブル席にそれらを置き、全てを斜め読み。

必要そうな箇所は念入りに読んだり持ってきたノートにポイントを書き込んだりする。

全て読み終わったら本を棚へ戻しつつ、未チェックの棚へ移動して再び本探しかな。

そう思いながら読み終わった本を棚へ戻す。

『あ。』

抱えていた本のうち、一冊がどさりと地面へ落ちた。

両手には大量の本。しゃがめばバランスを崩して更に落としてしまうかも知れない。

どうしたものかと考えていると、横から手がすっと伸びてきて落とした本を拾い上げ、此方へ差し出してきた。

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