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不意にもう会えないであろう彼が脳裏を横切った 。 歌を作ってアレンジをして楽器を楽しそうに演奏する彼の姿が 。
もしも 、 今ここで息を止めたならこの涙は止まるのだろうか 。 自分がなんで泣いているのかなんてわからないけれど 、 どうしても涙が溢れてくるんだ 。
もしも全部を嘘にすれば 、 君がもういないというこの現実も嘘に出来るのかな 。
ずっと消えない愛も悲しみも存在しないらしい 、 と何処かで聞いたことがある 。
私には消えない想いしか分からないけど 。 そんなものがあるのなら素敵なことなのだろう 。
不意に窓に視線を逸らせば 、 窓からオレンジ色が零れていることに気づく 。 窓際まで行って外を眺めれば見慣れた坂道が見える 。
“ Aー ! ! 早く ! こっちこっち ! ”
嗚呼 、 誰かが私を呼んだような気がする 。
とても綺麗で可愛らしい笑顔を向けて私の名前を呼んでいた 。
「 すき … 好きだよ … 、」
そんな事を 、 今更言えやしないけれど貴方へのこの気持ちは偽らないから 。
100年後も愛してる 。
そんなベタで恥ずかしくてクサイセリフ君には届かないのだろうな 。 そう思って言葉を読み込んだ 。
ボロボロと涙が溢れて頬を伝う 。それを拭うかのように生暖かい風が私の頬を撫でた 。
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作者名:ゆずこ | 作成日時:2018年5月13日 16時