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樹状「....いきなりどうしたの?」
思いがけない私の言葉に動きを止める樹状細胞さん。
謝ろう。
そう思っていたハズの気持ちが段々と薄れていく。
その代わりに心にも無い言葉が次々と飛び出す。
「帰り方があるってさ、なんの根拠があって言ってるの?」
「あなた達は細胞とか血球だから元々ココが居場所だけどさ、私は違うの。」
「無駄な期待を抱かせないでよ。何よ、知ったように.....ペラペラと」
「ふざけないでよ.....。」
樹状「......ごめんね。」
こんな事、言いたくなかったのに。
全部出し切ったように、私の口はもう開かなかった。
"ごめんなさい、ありがとう"
これだけを言いたかっただけなのに。
だけどまだ怒りは収まらない。樹状細胞さんの悲しい顔がまたイライラさせてくる。
樹状「ごめんね、Aちゃん。君の気持ち、考えてあげられなくて。」
だから....なんでいつもいつも樹状細胞さんは...!
「........っなんで、貴方が泣きそうなの....!泣きたいのはこっちの方よ!!」
そして、散々言い残して走り出してしまった。
樹状「Aさん!まって!」
あぁ、逃げてきちゃった。
でも。あそこにずっといても何も変わりやしない。
安全な場所だって、私がいれば何時だって危険なのに。
さっき怒ったばっかりなのに、馬鹿みたい。
何に対して怒ったの....?
適当な事を樹状細胞さんが言ったから?いいや違う。
何も出来なくて、八つ当たりする自分に怒らなければいけなかった。
自分は頭が悪い。だから、ほかの人が何を考えてるのかなんてわかんない。
だけど、これだけは分かる。
「自分の事は自分で解決する。向こうからこないなら、自分からいくしかない。」
落ち着かない頭にこれを叩き込む。
もう見慣れた街を横目に見ながら次の行き先を懸命に考えた。
使えない頭を揺らしながら。
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あらしん - 白血球さん落ちがいいです!! (2019年5月1日 9時) (レス) id: 0e47be8800 (このIDを非表示/違反報告)
まじかるれいん☆ - がんばれ〜(ー〜−)(呑気) (2018年9月2日 12時) (レス) id: 9a258b9a35 (このIDを非表示/違反報告)
dbyzdy5p4(プロフ) - まじかるれいん☆さん» ですね〜。進みが私遅いから、完結まで行くか.... (2018年9月1日 20時) (レス) id: 0282b3fb51 (このIDを非表示/違反報告)
まじかるれいん☆ - ほとんど葉っぱヤローやん…まあ、私もなんだけどねW (2018年9月1日 20時) (レス) id: 9a258b9a35 (このIDを非表示/違反報告)
あんてな(プロフ) - 樹状細胞さんに一票です! (2018年8月31日 22時) (レス) id: 1a079fd26f (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:dbyzdy5p4 | 作成日時:2018年8月20日 0時