犬系女子と飼い主系男子【梵天】

拉致られた ページ14

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手元のお皿が空になったことに気づく。



席を立ち上がると、万次郎の手が私を引き留めた。






万次郎「A、俺も行く」


『一人でも大丈夫だよ、
おかわりしに行くだけだから。

すぐ戻ってくるね』






万次郎は何か言いたげだったが、
やがて手を離してくれた。



この時、私は思いもしなかったのだ。



裏社会のパーティーが、
どんなに危険であるかということを。





それは、一瞬のことだった。



デザートを選ぶのに夢中になっていると、
後ろから口を塞がれ、
あっという間に垂れ幕の影に引き摺り込まれた。



手からお皿が滑り落ち割れてしまったが、
店内の音楽のせいで、誰の耳に届くこともなかった。




え、誘拐？拉致られた！？



パニックになったまま、
鼻にハンカチを押し付けられ
だんだん意識が遠くなっていった。





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目が覚めると、縄です巻きにされ
椅子に縛りつけられていた。



あれ、デジャヴ？




脱走を図って梵天から逃げ出したら
誘拐されたことを思い出す。




確かあの時は……
海に沈められそうになってたんだっけ。



じゃあ、今は？




視界がぐらぐら回り、
水の中にいるみたいにぼやけていた。




なにこれ……きもちわるい。







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