･ ページ41
夢を見ていた。
長い夢だった。
その夢では、私には兄がいて、
2人で過ごしている時に私たちが襲われた。
そんな夢だった。
お昼寝をしている時に、それは起きた。
兄「……なんの音だ？」
『おにいちゃん、こわいよ、！』
兄「大丈夫だ、Aはここにいるんだ。絶対に出てきてはいけないよ」
お兄ちゃんの背中を1人で見守っていた。
怖い。
すごく、大きな音だった。
兄「A！！死喰い人だ！！絶対に出てくるんじゃない！！！！」
え？
『おにいちゃん！！おにいちゃん！！！』
扉の向こう側に誰かが近づいてくるのが分かった。
『おにいちゃん！てきは？だいじょうぶ？』
お兄ちゃんが来てくれたんだと、嬉しかった。
「お前の兄貴は死んだ。」
その声の後に、扉を開けようとする物音が部屋に響いた。
中々開けられないのは、お兄ちゃんの魔法か。
段々と息が出来なくなっていく。
お兄ちゃん、お兄ちゃん、
死喰い人にドアが破られた。
「アバダ……！」
ｵﾘｵﾝ「アバダケタブラ！！！」
母「よくも私の息子と娘を……！！」
父「A……！無事か！！目を開けるんだ！！」
視界の端に見えたのは、父と母、そして、
シリウスのお父さん。
……これは夢じゃない。
妄想なんかじゃない、これは、記憶だ。
何故か私にない4歳より下の記憶。
私を愛して可愛がってくれたお兄ちゃん。
私を守ってくれた両親とおじさん。
こんなに愛されていたことを、忘れていた。
お兄ちゃんのことを、忘れていた。
目が覚めると、そこは見覚えのない場所で、
目の前には、恐らく、あの夜お兄ちゃんを殺した仲間。
……死喰い人がいた。
この小説をお気に入り追加 (しおり)
登録すれば後で更新された順に見れます 156人がお気に入り
お気に入り作者に追加
違反報告 - ルール違反の作品はココから報告
作品は全て携帯でも見れます
同じような小説を簡単に作れます → 作成
この小説のブログパーツ
作者名：クリームソーダ | 作成日時：2024年2月4日 16時
