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私が何を言っても、シリウスは翌日になれば何も覚えていないかのように振る舞う。
めげない男なのだ。
ｼﾘｳｽ「A！今日はとうとう呪文を使うんだぞ！」
シリウスは嬉しそうな顔をしてご飯を頬張っていた。
魔法なんて、家で散々教えられてきたのに。
ｼﾘｳｽ「……家とは違うだろ？」
『確かに、みんなと受けた方が楽しそう！』
Aの楽しいの基準はいつでもシリウスだ。
彼が笑顔を見せればそれは楽しいことで、
彼が嫌がる事はAにとっても嫌なことであった。
本人はシリウス基準の想いを持ったつもりはなく、
あくまで幼馴染だから同じ思想だと思っている。
ｼﾘｳｽ「じゃ、お手をどうぞ？お姫様？」
『ええ、一緒に行きましょ！』
いくら1年生と言えど、その姿はよく目立つ。
男女が手を繋いで歩いているのだから。
シリウスが手を繋ごうとするのはわざとであった。
そうすることでAの周りに男は寄らないし、
自分も手がつなげて嬉しいからだ。
一方Aは何も考えていない。
ただ、差し出された手を取って握っただけ。
ｼﾘｳｽ「今日はなんの呪文だろうな？」
『基本呪文集の1個目の浮遊の呪文じゃない？』
シリウスはそう言うと少し落ち込んでいた。
まあ、私たち1年生だから高度な呪文はなかなか使わない。
シリウスはそっちの方が嬉しいわよね
『あ、変なことはしないでね？』
ｼﾘｳｽ「姫が嫌がるならしませんけど？」
とは言いつつ、Aも2人のイタズラに流される節があった。
シリウスは怪我すること以外なら自分が誘えばAは着いてくると知っていていつも誘うのだ。
そう、それがこの授業の時間であった。
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作者名：クリームソーダ | 作成日時：2024年2月4日 16時
