あんな男、好きになりたくない。【シリウス･ブラック】 (ページ3)

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シ｢そう言えばジェームズ…A、どうかしたのか？｣

ジェ｢さあ、よく分からないけどエバンズが言っても食事もあまり取らないし授業も直ぐに終わると逃げるって｣

Aはあの日から、食事が喉を通りにくくなり
その体は必要最低限の活動のみするようになったため、

授業のみ参加し終わると直ぐにどこかへ消えるのを繰り返していた。

『おぇっ、ぅ、』

消灯時間後、リリーが運んできてくれた食事を食べたが
腹がムカムカして全て吐き出してしまった。

眠れない。

ずっと、ずっと、

寝ると、あの日見た光景がフラッシュバックする。

シリウスが、彼女に愛を囁く夢を見てしまう。

寝不足で食事をとっても吐いてしまうし、
普通に過ごしても直ぐに目眩が起きて激しい頭痛が襲ってくる。

きっと全部睡眠不足と栄養失調だ。

馬鹿な話だ。

ただ失恋したぐらいで、こんなにも弱ってしまうのだから

シ｢A！｣

授業後、いつものように移動しようとすると、
シリウスに腕を掴まれた。

『な、に』

シ｢……痩せたな。｣

シリウスは私の腕を掴む手を見てそう言った。

『気のせいじゃない。』

シ｢今から昼ごはんだろ。大広間、行くぞ｣

『行かない、大丈夫だから、ねえ、まって！』

シリウスに腕を引かれて大広間へと連れていかれる。

こんなことで喜んでしまう自分が嫌い。

シリウスには彼女がいるんだから、

忘れなきゃいけない。

シ｢…なんで最近俺らを避けるんだ｣

シリウスは、私に背を向けたまま聞いてきた。

『理由なんてないよ。』

シ｢今は聞かない。とりあえず飯だけでも食ってくれ
心配になるだろ｣

シリウスが心配してるのは、

友達だから。

優しくしないで、

勘違いさせないで、

シ｢だから早く元気になっていつもみたいに馬鹿やってろよ｣

ここでこの想いを伝えたら、貴方は私を避けるようになる。

なら想いなんて伝えない。

貴方は何も知らなくていい。