【完結】兄の親友と恋をした【シリウス・ブラック】 (ページ27)

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ある日、中庭で黒い犬を見た。

黒い、あの時、在学中のホグワーツで

私に甘えてきた犬を。

私には気づいて居ないようで、後をついて行くと

犬は暴れ柳の根元へと入っていった。

昔、ジミーにみんなといる時に入り方を教えて貰ったことがあり、中に入った

中には、人影があった。

ああ、なんてボロボロ。

痩せて、髪は伸びきっている。

それでも、間違いなく彼だった

シリウスだった。

『シリウス』

酷くか細い声が出た。

涙で視界は安定しない。

この12年間、会いたいと願った彼が今目の前にいる。

シリ｢A……？｣

何故ここにいるんだと言う目で彼は私を見た。

･

『……ッ、シリウス、』

思わず彼に抱きついた。

……もし彼が本当に殺人鬼なら私は今ここで殺されるだろう

それでもいいぐらい、彼に会いたかったのだ。

彼の震える手は、恐る恐る私の背に触れた。

ああ、シリウスだ、シリウスがいる。

嘘じゃない。

シリ｢……本当に、Aなのか？｣

『……あなたのAですよ。』

彼の温かさは何ひとつとして変わっていない。

彼は殺人鬼なんかじゃない。

私の大切な人だ。

シリ｢会いたかった、どれだけ願ったか……Aが俺を恨んでいたら、殺そうと思っていたら、……でも、それでも構わない。｣

『いやよ、わたし、ずっと信じて待っていたのよ』

シリ｢ピーターだ。あの日、俺達は人の目を誤魔化す為に秘密の守り人を俺からピーターに変えた。でも、全て間違いだったんだ。｣

『貴方は何も悪くないの。』

ねえシリウス、貴方は何も変わらないわ。

私がハリーを育てられなかったと知ったら、

貴方は幻滅するかしら？

ねえシリウス。

愛しているわ。

もう、私を置いて行かないで。