【文スト】転生したら最推しに依存された件［R］第二章【太宰治】

第五十四話　お願い事 ページ6

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「…お願い？」



不思議そうに首を傾げた私を見て、治くんは機嫌良さげに頷く。




基本治くんのお願い事なら、私に出来る範囲であれば叶えるつもりだ。


寧ろ治くんからの直々の願いを叶えないという選択肢は私にはない。




でも一体お願いというのは何だろうか。


治くんは人にお願いなんてしなくても全部自分で叶えてしまうタイプだから、結構レアだ。





ニコニコと笑みを浮かべる治くんを可愛いと思いながらも不思議そうにじっと見つめていれば、治くんは口を開いた。




「…じゃあもうすぐあるイベントって言ったら？」


「治くんの誕生日」


「ふふっ、さすがA。即答だね。…その私の誕生日に、休暇を取って欲しいんだ」



即答した私に上機嫌そうに笑みを溢した治くんがそう言う。


毎年治くんの誕生日にはちゃんと休暇を取っているから、それは治くんなりの保険なんだろうか。




とはいえ、治くんの誕生日と言えば私にとっては一年で一番のビッグイベントだ。


前世から治くんの誕生日は盛大に祝っていたし、それは勿論今世でも変わらない。


私にとっては自分の誕生日より価値のある日なのだ。思い入れも深いし。




それにしても、治くんの笑顔は今日も眩しい。そして実に可愛い。尊い。


そしてそんな可愛い治くんももうすぐ17歳だ。時が経つのは本当に早い。



このまま治くんは大人になってしまうんだろう。原作開始の時が22歳だったし。


22歳の治くんを早く見てみたいような、でもこのままでも居て欲しいような。何とも複雑な気持ちだ。


例えるなら、親離れする息子を見守る気分というべきか。



まあでもきっと、22歳の治くんも可愛いんだろう。それだけは断定できる。




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