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第六十話 高熱の意識 ページ12

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ピピっという音が室内に反響する。


ボーッとしながら治くんが差し出す体温計を受け取った私は、その数値の高さに目を剥いた。





「…さ、39.4…」




予想以上に高い数値は明らかに高熱と言えるものだろう。



正直普通にヤバい熱に私は驚きに目を見開かせて静かに驚く。


生きている年数が圧倒的に高い私ですらそこまでの熱は出た事がない。




というか、前にも似たように治くんが高熱を出した事があったけれど、それっきり一度も熱どころか風邪すら引いていない気がする。



そこで思ったのは、治くんは普段全然風邪を引かない代わりにある日突然どっと押し寄せて高熱を出すタイプだという事だ。



矢張り幹部になってから忙しくなったし、そのせいで疲れも溜まっていたのかもしれない。





頬を朱色に染めながらボーッとしている治くんは、正直とても16歳には見えない。


本当に可愛いが過ぎる。




とはいえこのままでは良くないだろう。


正直言うならちゃんと病院行って診てもらいたい所だ。これ程の熱となれば時期的に考えて溶連菌かもしれない。




とはいえ、この状態では行けないだろうしまず嫌がるだろう。




そんな私の考えから、今日は仕事を休む事にした。






額には冷えピタが貼られており、ちゃんと肩まで布団を掛けておいている。


今日一日は確実に安静にしてもらわないといけないし。





そんな事を思いながら台所に向かおうと背を向けて足を踏み出す。


その時、服の裾を後ろから控えめに引っ張られた。



それに驚いて思わず振り返れば、私の事を不安げに見つめる治くんが私の服の裾を引っ張っていた。




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第六十一話 不安と安堵→←第五十九話 悪夢の朝



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葉桜 桜 - 凄く面白いです!1日にリメイク前の物まで読んで、お話が小説の神様みたいです!更新、楽しみに待ってます!! (5月2日 14時) (レス) @page19 id: e6215ef735 (このIDを非表示/違反報告)
わけめ - ついつい一気に読んでしまいました!更新、楽しみに待ってます! (2022年11月19日 23時) (レス) @page19 id: 979aaf8679 (このIDを非表示/違反報告)
光華(プロフ) - 凄く面白いです! 無理しない程度に頑張ってください! 更新待ってます! (2022年7月14日 15時) (レス) @page19 id: 50f3e04b49 (このIDを非表示/違反報告)
(プロフ) - 続きを楽しみにしてます!! (2021年5月2日 15時) (レス) id: 411fa15fdd (このIDを非表示/違反報告)
はーちゃん - いや、神か?????面白かったです! (2020年11月19日 16時) (レス) id: 3ad67a8a12 (このIDを非表示/違反報告)

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作者名:水瀬月鏡 x他1人 | 作成日時:2019年7月21日 17時

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