【文スト】転生したら最推しに依存された件［R］【太宰治】

第八話　幼なじみの勘 ページ9

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しばらくして仕事が終わった頃、それを見計らったように後ろから抱き着いていた治くんが口を開く。




「ねえA、これから一緒に飲みに行かないかい？」



平然とそう云われるものの、これでも私達は一応まだ16歳だ。


法律的には未成年が飲酒する事は禁止されているんだけど、マフィアに法律なんて今更過ぎる話。



とはいっても、私は飲まないようにしている。


前世で教師だったせいか、どうしても規律には厳しくなってしまうのだ。





「Lupinに？」



私が疑問符を浮かべてそう問えば、治くんは笑みを浮かべたまま首肯する。



「うん。何となく今日は、織田作か安吾に会える気がしてね」



治くんの勘はよく当たる。特にこういう勘は余計だ。


それに私も、今日はLupinに行こうかなと思っていた所だったし丁度良いだろう。




当然断る理由もない私は、治くんの提案に快く頷いた。


それを見た治くんは嬉しそうに笑って、そのまま自然の動作で私を抱き締めてくる。


それが嬉しくて、私も同じように抱き締め返した。




治くんは感情表現を抱き締める事で示しているのか、何かある度に私に抱き着いてくる。


正直嬉しい事に変わりはないから私も抱き締め返すけれど、夏にされると凄く暑くてちょっと困るのも確かだ。


まあ、冬にされた場合は寧ろ温かくて心地好いのだけれど。




それにしても治くんって、私の前と他の人達の前では全然態度が違うよね。


特にアニメや漫画で見ていた時も思ったけど、私に対してと部下に対してとの態度が天と地程の差がある気がするんだけど。



特にアニメで見た通りなら、芥川くんへの対応は相当酷いのだろう。




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