第三十九話 雨音と心音 ページ40
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私が笑った事が不満だったのか、治くんはムッとした顔をする。
「どうして笑うのさ。私、本気なのだけど」
不機嫌気味にそう云った治くんに「ごめんね」と一言謝ると、私は柔らかに微笑みながら口を開いた。
「治くんがあまりにも可愛らしい事を云うもんだから」
そう云った私に、治くんは眉を寄せる。
正直思わず口が滑って本心を云ってしまったが、これは地雷を踏んだかもしれない。
毎日のように脳内で可愛いばかりを云っている私は、いつかうっかり治くんに『可愛い』と云ってしまうとは思っていたけど、今がそれをやらかしてしまった時だった。
治くんに可愛いと云うと凄く不機嫌になって拗ねるから、今まで云わないように注意してたんだけど。
どうしよう、と内心焦っていると、治くんが静かに目を細めて私を呼んだ。
「…A」
思わずピクリと反応して治くんをゆっくりと見上げた瞬間、頬に手が添えられそのまま唇に柔らかい感触がした。
周りからは見えないように丁度良く傘が傾けられていて、直ぐに離れた治くんの顔に私は一瞬思考を停止させる。
いや、あまりにもキスが突然過ぎる。
しかもいくら傘で見えなくしたとはいえ、公衆の面前でキスしてしまうなんて中身大人な私からしてみれば羞恥心で死んでしまいそうだ。
思わず顔の赤くなる私の耳許で、治くんが低く色気のある声で囁く。
「…可愛い」
硬直してしまう私を意地悪げに笑った治くんは、私の頬に手を添えたまま云った。
「私の事を可愛いなんて云った事と、今日沢山我慢させられた仕返し」
至近距離でそんな事を云ってきた治くんに、私の脳内が可愛いと騒いでいる。
いやもう本当可愛い。治くん可愛い過ぎるメーターが限界突破するくらい可愛い。
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lokiloki - こちらの作品をとても気に入ったのでプレイリストに載せさせてもらいます ※自分の作品を消したい場合はお手数をかけますがプレイリストの 【おもしろ度を投票】の上にある 【リストから削除】からやるか、プレイリストのコメントから作者に言ってください (11月10日 19時) (レス) id: 7de4ffbd52 (このIDを非表示/違反報告)
水瀬月鏡(プロフ) - I am gotさん» コメントありがとうございます!神作だなんて…!!(泣)こんな作者の作品を好いて下さり本当に有難うございます!これからも頑張らせて頂きますね! (2019年7月21日 14時) (レス) id: 6aa236e388 (このIDを非表示/違反報告)
I am got(プロフ) - ヤバイ。神作。めっちゃ好きです!!続編楽しみにしてます!! (2019年7月21日 14時) (レス) id: dd6540e082 (このIDを非表示/違反報告)
水瀬月鏡(プロフ) - 結月さん» コメントありがとうございます!沢山妄想しちゃって下さい!(笑)更新頑張ります! (2019年7月18日 10時) (レス) id: 6aa236e388 (このIDを非表示/違反報告)
結月(プロフ) - 今日も今日とて妄想させて頂いてます!更新待ってます (2019年7月18日 10時) (レス) id: 013547788b (このIDを非表示/違反報告)
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作者名:水瀬月鏡 x他1人 | 作成日時:2019年7月14日 16時