【文スト】転生したら最推しに依存された件【太宰治】

第十話　怪我 ページ13

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「お、治くん！？ど、どうしたのその怪我！」





とある日の事、いつものように書類作業をこなしていたら突然治くんがやって来た。


いや、そこまではいつも通りだ。肝心なのは何故か全身掠り傷だらけなのかだ。終いには痣もできてるし。





予期せぬ出来事に声を上げて駆け寄った私に、治くんは何故か上機嫌に笑みを溢している。



その思考回路は全く読めないが、今はそれを聞くよりも医務室に行って手当てをする事が先決だ。



私はニコニコ笑っている治くんの手を引いて半ば強引に医務室に向かう。






無抵抗のままの治くんを少々強引に医務室にあるベッドに座らせた私は、棚から包帯と消毒液、それにガーゼと絆創膏を持って治くんの隣に座る。



所々破れている服からは血が滲んでいて、一体何が合ったのか皆目見当もつかない。






「…治くん、この怪我どうしたの？」




治くんの事だから任務で失敗して、とかは無さそうだし、となると矢張り自 殺を試してとかだろうか。


いや、でもそしたら一体どうすればこんな怪我を負うのだ。






「今日は別に自 殺をするつもりじゃなかったんだけどね、良い景色の見える丘に佇んでたら突然来た観光客の連れてる犬が吠えてきて、ちょっとビックリして落ちちゃったのだよ」


「いやそれ絶対ちょっとじゃないよね、すごく驚いてるよね…」





というか何だその可愛い理由は。




本当に治くんは犬が苦手だなぁと思いながらも、あの治くんがそんなドジをしたと思うと面白くて笑みが溢れてしまう。


ていうか犬に驚いて落ちるって可愛すぎる。



でもよく丘から落ちたのに生きてるよね。いや、勿論死んだら嫌だけど普通に凄いと思う。伊達にあれだけ自 殺を試しておいて死なないだけある。



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