仲良し家族*7 (ページ39)

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潤Side

若いのに、期待されて、
一目置かれている翔兄。
そのこともあって、代役で仕事をこなすことも多々ある。

俺とかは、体調が悪かったりすれば休むんだけど……。いや本当は休みたくないけどさ。周りに迷惑かけたり、食品扱ったりしてるからお客様にも被害が及ぶから…。
一緒に働いている仲間にもそう教えている。

だけど、翔兄の仕事は。
簡単にはそう休めない。
そりゃ、インフルエンザやノロウイルス。
感染してしまう可能性が極めて高い場合は
休まなければならないけど。
少しの倦怠感や、微熱程度じゃ休めないんだ。

翔:「…あ、潤。雅紀がどうかした？」

電話を終え、スマホをポケットに閉まって、
眉を下げて俺に向かって歩いてきた翔兄。

その顔には、なんつーか……
”申し訳なさ”と、”自分に対しての苛立ち”が読み取れる気がする。

「………ん。雅紀が翔兄呼んでる。
早く行ってやって。」

翔:「ん、ありがとな。
腹痛いのかな、多分。」

そう言うと、
足早に、病室へ向かって歩き出した。

翔:「雅紀、ごめんな。父ちゃんきたから。
……、ん、分かった。
和、潤、ごめん、ちょっと出てて？」

病室に入るとすぐに
寝ている雅紀の口元に耳を当てて、
テキパキとタオルやら手袋やらを準備する翔兄。

やっと雅紀の伝えたいことが分かった
俺と和兄は言われるがまま、
病室を後にした。