仲良し家族*7 (ページ12)

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翔Side

潤:「翔兄っ！」

「あ……、潤…。和も。」

潤:「いいか、よく聞けよ。雅紀が居なくなった…」

いつの間にか、後ろに居た潤と和。

そして、潤が俺の目をじっと見つめて、そう言った。

雅紀が居なくなった…。

消えてしまう……

そう思った俺は、居てもたっても居られなくて。

「……消えちまう…っ！」

そう立ち上がって、走り出そうとしたんだけど、

和:「翔兄っ！………ここいて？」

そう和が俺の腕を掴んだ。

どこかの廊下で倒れてるんじゃないか。
喘息の発作はおこしてないか。
…もしかしたら、誰かに連れて行かれたんじゃないか。

そんな不安ばかりが俺の脳裏から離れなくて。

だけど…

和:「雅紀は大丈夫。俺らが見つけてくるから。ね？待ってて、ここで。」

そう言う和の言葉を信じてみようと思った。

俺は、プレイルームの窓のそばへ移動する。

「雪、また降ってきた…」

ほんの少しだけど、積もった雪。
一旦止んだんだけど、また降ってきたみたい。

プレイルームから、見える、
病院の庭園。
ここの病院は大きくて、
屋上にも庭園はあるけれど、俺は外庭園の方が好き。

ここも、雅紀との思い出の場所だから。

「……っ！！」

庭園を見渡すと、見慣れた小さな背中がクリスマスツリーの前で蹲っていた。