No.7 ページ10
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午後7時過ぎ。
そうちゃんの書き始めた台本に、みんながあれやこれや口を出してやっとこさ大まかな形ができた頃だった。
コンコンと教室の扉がノックされて、軽快な呼び声とともに伊藤先生が姿を現した。
「順調かしら？そろそろ私も帰るから、おひらきの準備しておいてね。
支度が終わったらまた来るからね。」
伊藤先生はにこりとそれだけ告げると、さっさと戻っていった。
晩餐会は特別に、顧問である伊藤先生が帰るときに合わせた活動時間になっている。
だからこんなに外が真っ暗になっても学校にいられるんだ。以前のようなスリルはないが、特に不便ではない。
私は疲れ果てたようにペンを握っているそうちゃんから部活ノートを受け取ると、今日の活動について簡単にまとめた。
そのあとに2、3ページパラパラめくってみれば、できたてほやほやの台本に続いて予算会議で小さく書いた一行が恐る恐る顔を出す。
やっぱり、私には部長なんて向いていないのかもしれない。
素直に怖いのだ。
晩餐会の存在を他の生徒が認めてくれるわけがない、なのにもう後にも引けなくなってしまった。
もう、私たちはただの共犯者ではなくなってしまった。
ほんの少しの好奇心と期待だけで飛び出たちっぽけな正義が、周りに認知され肯定してもらえるとは限らないのだ。
心臓が怯えたように揺れている。
楽しげな周りの雰囲気から、なぜか孤立してしまったように静かに思えた。
＿＿＿＿＿＿部費は無し
私は、少し外に出てみれば誰にも認知されていないただの女子生徒Aでしかない。
「恵林、大丈夫？」
私はハッとして振り向いた。
「...里奈！どしたの？」
「なんだか、静かだったから。」
里奈の後ろで、そうちゃんとアインがじゃれ合っていて、それをしーくんが笑っている光景がぼんやり見えた。
「全然大丈夫！」
里奈は私の返事に「そっか...！」と笑ってくれた。
ちょうど先生がやってきて、」私はノートを閉じると先生に渡した。
私の書いた活動記録に一言メモをしてくれて、また次の部活の時に戻ってくる。
私たちは理科室の電気を消して、ぞろぞろ教室を出ていった。
「では、また明日ね。」
先生は下駄箱の前で、私たちがちゃんと校門から出ていくまで見送ってくれた。
四月の夜の優しい気温が、先生に手を振る私の指の間を通り抜けていった。
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えりんぎ※息を吸う(プロフ) - ぬーん@低浮上さん» ええありがとうございます...！！絢瀬ツインズまじで尊いんですよ...ぜひ追っかけていただいて...()ふふふふふふ......() (2021年5月13日 21時) (
レス) id: d9493e2ae9 (このIDを非表示/違反報告)
ぬーん@低浮上(プロフ) - 2期…っ、2期が……！！(言葉を詰まらせる)(毎度コメントすみません)ハマった沼が深すぎて抜けられないです…！！絢瀬ツインズ尊い……好きがたくさん…。不穏な感じで終わったのでちょっと心配ですが、大丈夫だと信じて次巻もゆったり待ってます！ (2021年5月1日 15時) (レス) id: fa75c01212 (このIDを非表示/違反報告)
えりんぎ※息を吸う(プロフ) - そちゃさん» きゃっ！！ありがとうございます！ぜひぜひみんなの成長を見守っててくださいね！！ (2021年4月19日 2時) (レス) id: 5e55bdde31 (このIDを非表示/違反報告)
そちゃ(プロフ) - 待望の2期ありがとうございます！！！1期読み終わったのが3月で...ずっと待ってました。 絢瀬兄弟最高です....。けいとくんの気持ちめちゃくちゃわかりすぎます。部活になった晩餐会の展開とても楽しみです。2巻待ってます！！！ありがとうございました。 (2021年4月19日 1時) (レス) id: bf330b1b47 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：えりんぎ※息を吸う | 作成日時：2021年4月19日 0時
