43話：大胆オーダー！ ページ45
雨宮「ねぇ！聖帝ゲームしようよ！」
貴方「聖帝ゲーム…？」
快彦「番号の書かれた棒をみんなが引いて、聖帝が出た人は何でも命令できるゲームです！」
あ、王様ゲームみたいなものかな。
ここでは聖帝ゲームっていうんだなぁ。聖帝って、前に天馬くんから聞いたサッカーを管理する組織「フィフスセクター」の中心人物だったっけ。
雪村「言っとくけど、卑猥なものはナシだからな。」
氷里「ええ！面白さ半減〜。」
雛乃「不健全さも、青春のうちってね。大丈夫さ。これだけ人数が居るんだから、回避率は高いしね。」
吹雪「もちろん、藤咲さんも参加だよね？」
貴方「えっ、いえ私は……。」
明日のこともあるし、部屋に戻りたいんだけど…。
亜風炉「参加、だよね？」
貴方「う……、は…はい。」
貴志部「監督……。」
亜風炉「はい、貴志部も強制参加。藤咲さんの隣に座って。」
雨宮「じゃあ始めるよー！聖帝だーれだ！」
雨宮くんの掛け声と共に、大量の割り箸の山から
みんなが一斉に棒をとる。あまりの迫力に怖気付いた私は、残りの一本を引いた。
貴方「あ……聖帝だ…。」
佐田「おっ！トップバッターは藤咲か。残り物には福があるんだな。」
雨宮「A！命令して！」
貴方「え、えっと……。じゃあ、7番の人が右隣の人と…キスする寸前で10秒見つめ合う…？」
和泉「ひゅ〜！積極的ぃ。キスしないってのがまた良いね。」
総介「おーい、7番誰だー？」
総介くんの一言に答えたのは、
私のすぐ左隣の人だった。
貴志部「……は、はい。」
跳沢「あれ、ということは…。」
真狩「聖帝の自滅だな。」
貴方「え……？」
雨宮「えええ！？！？そんな事ある！？」
雪村「アッハッハッハッハッ！馬鹿じゃねーの！」
左隣で赤面した貴志部くんが
異常事態を物語っていた。
雪村くんは明日のスポーツドリンクに、一味でも入れてあげようかと思うくらい盛大に笑っていた。
亜風炉「聖帝の自滅とは、序盤から面白いね。さ、貴志部。今こそ木戸川魂を見せるんだよ。」
貴志部「かっ、監督！？」
貴方「す、すみません…！私が変なこと言っちゃったから……！何なら命令変えても…。」
雨宮「この盛り上がった雰囲気でそれは無しでしょ！ほら！早く！」
和泉「いけ〜キャプテン！」
貴志部「……もう…。A、絶対動くなよ。」
貴方「え……？」
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作者名：暁兔 | 作者ホームページ：
作成日時：2022年2月18日 23時
