26話：安心スコア！ ページ28
貴方「えっと、スポーツの本は…。あ、ここか。向こうの棚には応急処置の本もある。あれも借りていこうかな。」
本をパラパラめくると、イラスト付きで
サッカーのフォーメーションや
ルールの詳細が書かれている。
貴方「この本と…、あとこっちも。重いかな……。5冊くらいなら、持って帰れるかな。」
今まで、サッカーなんて興味なかったのに
もっと知りたいと思うようになった。
それに、合宿について行くなら
サッカーの基礎くらい分かっていないと
役に立てないよね。
貴方「夏休み貸出で長く借りれるし、合宿にも2冊くらいなら持って行けるかな。」
本を借りて、サッカー棟へ向かう。
途中、多くの生徒が稀有な目で私を見てきた。
ヒソヒソと話す声。全てが私のことを言っているかのように思えた。
怖い。それ以上に、何も出来ない自分が惨めで恥ずかしかった。ここに、真実私の味方はいない。
私がサッカーの知識を得たいのは、もしかすると
サッカー部のみんなとの関係を繋ぎ止めておきたいからなのかもしれない。それって最低なことかな。
貴方「それでも、今はそうしないと…。私は無力だ…。」
本来の自分の在り処も分からない迷い子が
1人で知らない世界に立っているなんて
無理な話なのだから。
貴方「合宿、成功させないと。」
サッカー棟に入ると、みんなはミーティングルームに居た。
松風「あ！A〜！オレ、補習にならなかったよー！！」
貴方「おめでとう天馬くん！」
剣城「1年は全員参加です。…まぁ、ギリギリの奴が多かったですが。」
狩屋「ホント、天馬くんなんて殆どギリギリ赤点回避だったもんな〜。」
松風「ちょっと！それは言わないでよ狩屋！」
瀬戸「2年も無事全員参加だ！他校も続々とエントリーしてるぜ。」
貴方「本当だ！天河原…幻影学園、月山国光中学も。」
山菜「あれ？天河原中って確か、地区予選の時のチーム。合宿には全国大会参加校だけじゃなかった？」
神童「参加チームが少なくなるから、地区予選の学校も参加可能になったらしいぞ。」
空野「他にも、聖堂山中学、新雲学園、白恋中学、それに黄名子ちゃんやトーブも！二人は雷門に属するそうです。」
貴方「黄名子ちゃんやトーブ…？」
松風「一緒に戦った仲間なんだ！」
貴方「そっか。会えるのが楽しみだね。」
知らない人が集う。でも、そこはきっと
サッカーが好きな人ばかりなんだろうな。
合宿当日が楽しみだな。
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作者名：暁兔 | 作者ホームページ：
作成日時：2022年2月18日 23時
