９５７話：研究室 ページ43
女郎蜘蛛「やもちゃん！」
大やもり「女郎蜘蛛！？それにみんなも…！傷だらけじゃないか！一体何が……。」
宮に着いた途端、女郎蜘蛛が大声で大やもりを呼びつける。大やもりは事の重大さに、冷静ではなくなっていた。
土蜘蛛「すまぬが、説明はあとだ。Aを診てやってくれんか。」
貴方「わ、私は後でも……。」
大ガマ「口から血を垂れ流してるやつが何言ってんだ。さっさと見てもらえ。」
貴方「……はい。大やもり、お願い……。」
大やもり「う、うん。こっちに来て。」
大やもりは私の手を引いて研究室へと急ぐ。
後ろからキュウビと女郎蜘蛛も着いてきて、
他の皆は各自部屋で待機になった。
貴方「みんなも足被れたりしているし、早く診てあげた方が良いんじゃない…？」
女郎蜘蛛「後で行くわよ。それより、アンタのそれ。痛みも強いはずなのに我慢しているでしょ。もう喋らないで。痛み止めをさっさと飲みなさい。」
貴方「……」
横目で女郎蜘蛛を見る。いつもの彼だ。
本当に私達を裏切ったわけじゃなかったんだよね。
女郎蜘蛛「な、なによ。そんなに見て…。」
貴方「…ううん。戻ってきてくれたんだなって。嬉しくなっただけ。」
大やもり「そうだね。やっぱり、女郎蜘蛛がいないとこの研究室は静かで落ち着かないよ。」
女郎蜘蛛「……バカね。惚れた女をこんな野蛮な男達の中に放置するわけないでしょ。」
キュウビ「へぇ、そっちが本心なんだ？」
女郎蜘蛛「そうよ。鬼とか、妖怪とか、これからの事とか。そんなのはアタシにとってどうでもいいの。今この目の前にいる、大好きなAが笑顔でいてくれたらね。」
貴方「ちょ…！ちょっと、何言ってるの…！？」
大やもり「ライバルの目の前で口説くなんて感心しないな。」
貴方「大やもりまで…！もう、やめてよ…！」
頬が熱くなる。この幸せを痛感するからこそ、私は……。
誰とも、どうなる気は無いと…そう早く言わなければならないのに。
女郎蜘蛛「なぁに、A。アンタ、こんな色男が目の前にいて口説いているって言うのに、他の考え事してるわけ？」
キュウビ「少なくとも、ここに居る僕らに興味はないってことなんじゃない。」
大やもり「そうみたいだね。」
貴方「えっ！？いや、そういう訳じゃ…！」
興味が無いわけない。そんなことなら、とっくにこの心臓は安定している。みんなを男性として意識している自分がいる。いつからこんなになってしまったんだろう。
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ぐりーん(プロフ) - 各々の覚悟が見て取れて感情移入せずにはいられないです...🥲続編ありがとうございます🙇🏻♀️ (2023年2月4日 17時) (
レス) @page26 id: ebeccca8db (このIDを非表示/違反報告)
ももこ(プロフ) - 続きが、出てくれて嬉しいです！ (2022年12月22日 8時) (レス) @page18 id: 4b14f6b623 (このIDを非表示/違反報告)
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作者名：暁兔 | 作者ホームページ：
作成日時：2022年12月19日 14時
