62話：危険コースアウト！ ページ18
貴方「喜多くん。ドリンク運ぶの手伝ってくれてありがとう…！お礼、言い忘れてたから…。」
喜多「ああ、気にしないで。おかげで、久しぶりに彼とも話せたし。」
貴方「貴志部くん…？」
喜多「木戸川清修はホーリーロード優勝候補だったからね。そのキャプテンにお目にかかれるなんて光栄だ。彼の采配にはいつも感服するよ。」
貴方「凄い人なんだね…貴志部くんって。」
喜多「彼ね、プロ注目のスター選手なんだよ。知らない？」
貴方「知らなかった…。」
喜多「彼の凄さは、きっともうすぐ分かるはずだよ。よく見ていてあげて。無茶をしてしまうこともあるからね。」
貴方「え？」
喜多「俺はもう行くよ。それじゃ、また夜にね。」
貴方「あ…うん…。」
今の喜多くんの言葉がとても気になる。
貴志部くんが無茶をするって何だろう？
試合を見ている限りでは普通だけど…。
貴方「…あ、備品整理今のうちにしておこうかな。」
屋内コートの隣の倉庫へ向かう。あまり使われていないのか、ホコリがそこら中にある。
貴方「わぁ…。えっと…空気入れと、それから…。ボールはまた後で磨く時に確認して…。」
暗くて埃っぽい倉庫内をガサガサと漁る。
他にも、バスケットボールなどが置かれているけど
コートがないのに何に使うんだろうと疑問に思ったその瞬間。
外から「藤咲！」という声がする。
返事をしようとしたその時だった。
ガシャン！という大きな音と共に、倉庫内に何かが入ってくる。
貴方「！？え…？な…なに…！？」
ホコリが舞い上がり、目に入った為
何が起こったのか確認もできない。
危険を感じて、その場にしゃがみこむ。
倉庫の外からは、選手やアフロディさんの声がする。
やっと埃が地面に落ち、視界が良くなってきたと思ったら、貴志部くんが焦った様子でこちら近寄ってきた。
貴志部「大丈夫か！？怪我は！？」
貴方「だ、大丈夫…。一体何が…。」
真狩「雪村がシュートしようとしたら、軸が反れてボールがこの中に。すみませんでした。怪我がなくて良かったです。」
雪村「アソコでディフェンスが迫って来たからシュートコース外しただけだ…。まさかお前が倉庫に居るとは思わないだろ。」
氷里「良いから！マネージャーに謝って！」
白咲「雪村。まずは謝罪をしろ。」
雪村くんが、周りから怒られている。
でも別に雪村くんが悪いわけじゃない…。
わざとではないみたいだし。
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作者名：暁兔 | 作者ホームページ：
作成日時：2022年2月25日 13時
